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駅に着けば、時間通りに、電車が到着して、私は、大勢の人混みの一人になって、そこに乗り込んだ。

いつもの景色を眺めながら、いつもの場所へと運ばれる。

肩にあたる冷房の風が心地よさから、寒さに変わる頃、私の降りるべき駅に近づいた。

車窓から見る景色の中、線路沿いの自転車置き場に、自分の自転車を見つけて、少しだけ気分が上がった。



ゆっくりと開くドア。

押し出されるようにホームに降りると、電車の熱と夏の湿気が立ち込めた。

冷えきった肩に、その温度は心地よく、そのまま、改札への階段を上がって行く人たちを暫く眺めていた。


「……そうだ。」


時間を確認すると、まだ、終電までには1時間程あった。

バーゲンの戦利品を肩に担ぐようにして、階段を上ると、背中にじわっと汗が滲んだ。

広くもない構内を慣れたコースで進んで、使い込んだパスケースで改札を抜けた。


「一応、ね。」


言い訳みたいに呟いて、真夜中には似合わないほど煌々と照明が照らす駅前の本屋に向かった。


入口の横には、

『営業時間:始発 〜 終電まで』

と、アバウトな文字。


もちろん、向かう先は、人生初めてのアイドル雑誌のコーナー。


遠慮がちに流れるBGMのラジオ。
だるそうなバイトくんがレジに立って、店長っぽいオジサンが棚の整理をしていた。

まばらなお客は、サラリーマンが殆どで、何となく居心地が悪かった。


「えっとぉ……。」


雑誌コーナーにたどり着くと、いつも買ってるファッション誌の棚と背中合わせになるように、目的の雑誌コーナーを見つけた。

今まで視界に入って無かったことが不思議な程近くて、思わず笑った。

初めて手に取るアイドル雑誌は、どれも同じな気がして、ツヤ感のある表紙にニカの名前を探した。


「本当に載ってるの?」


見つからない『二階堂高嗣』に、パラパラとページを捲る。



流れていく笑顔の数々。






その流れの一瞬に、私の知らない『ニカ』を見つけた。






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植尾あい(プロフ) - ふじのんさん» ウフフ 友達2人についても気になっちゃうあたり、マニアックですよ!(笑)でも、その期待を裏切らずに、友達も含めて、この先の展開を楽しみにしていて下さい!二階堂くんの不器用な優しさとか愛情表現、キュンとしてもらえたら嬉しいです。 (2018年2月10日 22時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - にかはるかさん» 不器用な2人の想いがもどかしくて、切なくて、書いてるはずの私もソワソワしちゃいますが、2人の幸せを願いながら、続きを書こうと思います!文章が素敵だなんて、褒めてもらえて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年2月10日 22時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
ふじのん(プロフ) - あいさん、こちらの小説では恐らく初めましてです!雑誌を広げて文字を書いたニカちゃん。この時点で「アレしかなおよな?」と予想はしていましたが、とどめの「またなっ○○」がズッキューンときました!2人はもちろんですが、友達2人もどうなるのか気になります(^^) (2018年1月6日 22時) (レス) id: fe899e2f87 (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 植尾あいさん» ニカちゃんの声で心に響いています!自分の気持ちに気づいた主人公ちゃんと、不器用なニカちゃんがどうなるのか、とても楽しみです!文章もとっても素敵です! (2018年1月5日 23時) (レス) id: 3dfef49e61 (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - にかはるかさん» 二階堂くんの声で脳内再生されてますか?!よかったー。若い頃の二階堂くんをリアルタイムで知らないので、完全な妄想で仕上がっているので少々心配だったのですが、よかったー!のんびり更新ですが楽しみにお待ちくださいね! (2018年1月5日 18時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:植尾あい | 作成日時:2017年7月18日 0時

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