小悪魔 ページ32
「わっ…私の不注意は、もう、いいから。
ニカがうちに来た理由だよ。」
私とニカのやり取りをニヤニヤ見ている真紀の視線に耐えかねて、話の続きを促すもニカのお説教は続く。
「Aちゃん、しっかりしてそうでしてないから、マジ気を付けて。」
「……… はい。」
年下男子にお説教される29歳女子。
その姿を見て、必死で笑いをこらえる、もう一人の29歳女子。
「ブフッ…… ニカ、お互い大変よね。Aみたいな子と関わっちゃうと。」
「わかってくれる?」
「わかるわかる。私なんて、かれこれ7年の付き合いよ。」
「うわっ、ヤバイね。お疲れ様ですっ。」
「ういっす。」
……… 完全に私をネタに意気投合しだす。
「ちよっ…ちょっと待ってよ。ニカの理由は?」
無理矢理ねじ込んで会話を戻すと、ニカが一気に話し出した。
「だって、Aちゃんがメッセージくれたんじゃん。
オレ、部屋にいたんだけど、寝てて気づかなくてさ。目が覚めたら、メッセージ入ってたから、手袋のお礼も言いたかったし、慌てて来たわけ。」
「あ……だから……。」
そこで、ようやく私がずっと気になっていたことを指摘するチャンスがやって来た。
「手袋してるのに、メッチャ部屋着なのね。」
私みたいにダッサイ部屋着じゃないけど、くつろぎスタイルのニカが気になっていた。
「あっ……そういや、そうだね。」
自分の服装を確認して、少し照れたように笑って言う。
「ダメ?」
上目遣いで仔犬モードのニカの声に、ついつい「別にいいけど…。」って、言いそうになる。
でも、今日は、真紀の台詞が先を越す。
「ダメ。鍋に参加したいなら、着替えてきな。」
「うっ……。わかった。」
真紀にピシャリと言われたニカは、立ち上がると玄関に向かう。
そして、出ていく直前に、リビングに向かって大声で叫んだ。
「すぐに戻ってくるから、待っててよっ。」
「はいはい。」
まるで子供に言うみたいに真紀が言うから、可笑しくって、顔を見合わせて笑い出す。
「なんなの、あの子。」
「何だろうね。」
「なんか、Aの気持ちが少しわかった。
あれは、無意識で無邪気な小悪魔よ。」
「仔犬感半端ないでしょ?」
「ペットになら欲しいかも。」
そういう真紀に鼻で笑って、
「ダメ。あげない。」
言ってみたけど、私のものでもなかったね。
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植尾あい(プロフ) - ちいさん» 生き甲斐だなんてっ!感激です。『欲張り』のあのシーンは、書き始めた時から、絶対に書く!と、決まってたシーンなので気に入って貰えて嬉しいです!仔犬感と大人感のバランス、うまくとりながら、日々、妄想に励みますっ(笑) (2015年3月2日 11時) (レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 作者様の作品を読むのが最近わたしの生き甲斐レベルです( ; ; )もう仔犬なのか立派な男なのかわからない魅力的すぎる隣人ニカちゃんに毎日萌えています//私も欲張りのあのシーンたまらなく好きです!溢れ出す妄想、これからも楽しみに読ませていただきますね! (2015年3月2日 2時) (レス) id: 7ce2ec877c (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - aiMyuさん» 通勤のお供になれて光栄です!私的に朝が都合よくて、朝更新してますが…そうですか、不審者(笑)これは、大人な展開は、避けた方がよさそうですね。朝からねぇフフッ。帰宅後に読み返して貰えるなんて!ありがとう。これからもよろしくお願いします! (2015年2月26日 20時) (レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
aiMyu(プロフ) - コメ返しwwあの、あいさんて朝更新してるじゃないですか?私、通勤中に読むんですよね。毎朝、電車内でフゥーって息吐きながら、ニヤニヤしちゃって…私、完全に不審者ですwwそして帰宅してから読み返す♪♪本当に尊敬してます☆ (2015年2月26日 15時) (レス) id: 81939e753e (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - キスマイさん» ハイハイ♪いらっしゃーい(笑)自分でももどかしくなりながら書いてます。でも、皆さんにキュンしてもらえて頑張れます!仕事バラしはねぇ……ウフフ…お楽しみに♪いつでもお喋りしに来て下さいね♪お待ちしてまーす。 (2015年2月26日 8時) (レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:植尾あい | 作成日時:2015年1月19日 8時