誰も死なせるな、守れ【鬼滅の刃】

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任務先は蝶屋敷からそれほど遠くはない。

そんな遠くもないところで鬼による被害が出ているのは
とても怖いことだ。



ｶﾅｴ「さあ、行きましょうか」

貴「はい！」



隊服に着替え、羽織を着て、刀を持つ。

...本当に、見た目だけは立派な鬼殺隊だ。



し「A...！」



玄関先でしのぶさんから声をかけられる。



し「頼みましたよ。必ず帰ってきてください。」



そう言って手を握られた。

...こんなに小さい手で刀を握って。無理をして。

絶対、絶対守ってみせる。

カナエさんを守ることは、しのぶさんを守ることにも繋がるはずだ。



貴「はい、いってきます！」




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夜になる前に任務先の村に到着。

時間潰し、ということで甘味処へカナエさんと2人で入った。



ｶﾅｴ「それにしてもA、どういう心変わり？急に私も行きたいだなんて！私は嬉しいけどね！」



カナエさん、あなたを死なせないためです。

とはさすがに言えない。



貴「強くなりたいって前より思うようになったので...」



これはあながち間違ってはいない。

私は弱いんだから、強くならないといけない。



ｶﾅｴ「もう、Aは自分を過小評価しすぎ！とっても強いのに！！」

貴「買い被りすぎですよ」



実際前の時は怖くて何も動けなかったし、
動けない自分に対しても怖いと思った。

自分の覚悟はそんなものだったのか。
仲間を見殺しにするのか。

ちっとも強くなんかない。



ｶﾅｴ「私が言うんだから確実よ！でもそうね、強いて言うのなら、Aは最初の一歩を踏み出すのが多分怖いのよ。」

貴「最初の...一歩...？」

ｶﾅｴ「怖いとか、死にたくないとかの感情はもちろん誰しもが持ってる。いかにその感情に勝つか、抜け出せるか。強い人はこの感情に勝つという最初の一歩を踏み出すことに恐れがないの。」



確かに私はいつも怖くて手足が動かない。

下手くそなサポートばかり。

死んだらどうしよう、いらないことをしてみんなが死んでしまったらどうしようって。



ｶﾅｴ「つまりは確かな覚悟を持っている人は強いのよ。Aは強い呼吸の使い手なんだから覚悟を持てば一気に強くなるよ。」




確かな覚悟...か。




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