悪女に付き合う暇はない【HQ】

ピッカピカの ページ9

仮入部初日。

ドキドキより断然ワクワクが勝っている。

園「今日から仮入部の小谷さんです」

『よろしくお願いします』

ペコッと頭を下げる。横には同じ学年の新入部員が並ぶ。

頑張って名前覚えよ。

記憶力は悪くないけど、日本人の名前にいまいち慣れてないのだ。日本人学校に通わなかったから。


どうにか頭に名前を残しつつ、自己紹介を聞いた。



園「小谷さん」

『はい』

園「今はとりあえず私の仕事見ててね」

『分かりました』

見てるといっても、何かのメモをしているところ。

えっ、見て覚えようね！ みたいな？

うそだぁ……。

この先について軽く不安を覚えるが、一々教えていられない程マネージャーは忙しいのだろう。

新人は目で見て盗めってな！！

心で決意の炎を燃やしていると、先輩(暫定の呼び名)がこちらに視線をやった。

園「バレーの経験、ある？」

身長差から、自然と上目遣いになる。

『ありません』

園「そっか」

どうしてか、安心したように聞こえた。

そういえば、呼び方はどうすればいいのだろうか。

『あの、何とお呼びすれば？』

園「え？ ……普通に、園崎にさんでいいよ？」

『分かりました』

苗字呼びか。距離感を感じてしまうけど、それが普通なんだ。

慣れないなぁ。









『すみません！ そこの……』

練習終わり、さっき挨拶を一緒にした同学年の人へ話しかける。

まずい、名前忘れた！！！

呼びかけたのにも関わらず、止まってしまう。

『らっ、……』

きょうさん、じゃないよね。それは見た目だ。

「？」

間に沈黙が漂う。するとらっきょさん(仮名)の隣に前髪真ん中分けな人が並んだ。

「今らっきょって言っただろ」

ば れ て る。

「誰が？」

当の本人は分かってない。今だ。

『違います。お名前をお教え願えますか？』

目の前の二人は顔を見合わせる。仲良いですね！

「何その丁寧語。俺は国見」

「お、おい国見……。金田一っす」

『小谷です』

よし、覚えた。

そこで最初の目的について切り出す。

『少々教えてもらいたい事がございまして』

国「何？」

金「お前はもうちょっと態度をだな……」

『ポジションて、なんですか』

国見さんと金田一さんは目をパチクリとした。

驚異のシンクロ率。

すぐに国見さんが我に返る。

国「報酬あるなら教えてもいいよ」

『報酬……』

国「塩キャラメル」

金「(額に手を当てる)」


『塩キャラメルてなんですか』

国「え、塩キャラメル知らないの？」

考察結果→←震えが止まらない★

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