ため息吐いたら幸せが逃げる ページ21
ため息を吐いても良いだろうか。
現在、バレー部の部室に呼び出しをくらっている。
机を挟んだ向かい側には及川さん。
あっ、及川さんに対してのため息ではありません。決して。
呼び出しというのは"小谷さんが仕事をしていない"という密告があったから、らしい。
タイミング的に考えて、それを告げたのは園崎さんだろう。
昨日の体育館裏での話(という割には一方的だが)は本気だったってわけだ。
「ということで、話を聞きたいんだ。
単刀直入に言うよ、仕事してる？」
『もちろんしてます』
「だよね……」
真剣な表情をしていた及川さんは一転して、脱力したように椅子の背にもたれかかった。
だよねって！！
某新喜劇だったら椅子から落ちてるわ！
「俺は小谷ちゃんが仕事してないようには見えない。でも、そうなるとこれを教えた人が嘘をついてることになる」
及川さんには一人称が二つあるのか、なんて場違いな感想を抱く。
それに、
『今の及川さん、すごく部長っぽいですね』
「うん、部長だからね？？ ていうか空気読もう？？」
『さーせん』
「反省してないし……」と漏らした及川さんから視線を逸らし、物が散らばるロッカーを眺める。
『あの』
「なに？」
机に身を乗り出し、声を細めた。
『誰にも、なにも絶対言わないので、一つ聞いてもいいですか？
……その教えた人って、園崎さんですよね」
すると及川さんは目を見開いた後、うーん、と唸るような声を出した。
「なんでそう思うの？」
『思い当たる……』
「節？」
『がありまして』
椅子に座り直し、反応を伺う。
及川さんは考え込み、ややあってから口を開いた。
「立場的に、その質問にはなんとも答えられない。
悪いけど、部長としては目の前の大会に集中したい。
取り敢えず、マネージャーは暫く別々に仕事をして。部長命令」
別々。
まだ新人だというのに、心細いな。
『わかりました……』
「あと、園崎ちゃんがチクったとか、考えないこと」
チクった？ 針……？
『はい……？』
「疑問符付けない！」
『はい！』
反射的に椅子から立ち上がり、そのまま数歩歩いてドアノブに手をかける。
「失礼しました」の言葉とともに一礼して、ドアを閉めた。
「(あの子は嘘をつけなさそうだな……。でも、園崎ちゃんも嘘をつかなそう…………)」
あぁもう！！ と及川さんが叫んだ声は、部室棟全体に響いたとさ。
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水上灯 - とちゅうでアジさんとかイシダイさんとか言ったのマジくそワロタｗｗｗｗｗｗ (2022年8月27日 13時) (
レス) id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
はむ - すごく読みやすくて面白いです！完結してしまうと思うと寂しいですが完成を楽しみに待っております！無理のないよう更新頑張ってください！応援しています！！ (2020年5月28日 1時) (レス) id: 655f827a56 (このIDを非表示/違反報告)
木乃伊(プロフ) - とっっても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2020年5月27日 16時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
bu-ko(プロフ) - アッッッ好きィ……………応援してます…！ (2020年5月27日 2時) (レス) id: 11f43cf002 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - コミカルで面白いし、夢主ちゃんのちゃんとしたかわいさもあるところほんとに最高です！！応援しています！ (2020年5月27日 0時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍原 | 作成日時：2018年4月14日 20時
