歩いていけはしない。 ページ17
不可思議なこととは言っても、園崎さんとの件は、うちの聞き間違いから起きたので別案件だ。
じゃあなにがあるかというと、
『……上履きがない……』
身の回りの物が行方知れずになるなど。
朝練の終わり、そして始業時間が迫るこの忙しい時間に事件は起きた。
昨日、上履き持って帰ったっけな……？
三歩歩いたら忘れる鳥頭か、記憶喪失でもない限り、上履きをどうしたかなんて覚えているだろう。
昨日帰りにきちんと下駄箱へ入れましたがなにか。
ここから導かれる答えは三つ。
一つ、隠された。
二つ、誰かが間違えて履いている。
三つ、上履きに足が生えて逃げられた。
二つ目なら良い。むしろそうであってくれ。しかし一つ目は嫌だ。嫌ったら嫌。
三つ目が濃厚か……？
この間三十秒。反対側にいた国見さんと金田一さんが上履きに履き替えおわり、一向に動かないうちの方へ振り返った。
国「なんで下駄箱と睨み合ってんの？」
『へっ』
金「どうかしたのか？」
『いえ、上履き忘れたので、どうしようかなーと』
咄嗟に出た答えに、二人は不思議そうな顔をした。
国「こんな微妙な日に持って帰ったのかよ」
金「え、えっと……職員室でスリッパ借りられるんじゃないか？」
国見さんはいつもの塩対応。悪いのは上履きだから！(違う)
いい情報をくれた金田一さんにありがとう、と告げ、早足で職員室へ向かった。
なんで上履きに嫌われたんだろう……。(だから違う)
＊
放課後。
感覚を掴めてきたマネージャーの仕事も終わり、片付けに取り掛かっている最中。
『！』
倉庫に入って横の、備品の置いてある棚に上履きが挟まって(？)いた。
ここまで歩いてきたのか、上履き……！
……なんて言うほどアホではない。
誰かが作為的にここへ隠したのだろう。
にしては見つかりやすいというか……見つけさせる為？ だとしたら何のために？
上履きを取って、倉庫の鍵を閉めながら疑問が次々と浮かんでくる。助けてコ○ン君！
そして頭の中にあのオープニングテーマが流れたところで一時中断。
職員室へ上履きを返し……じゃない、スリッパを。それから帰路につく。
名探偵ばりの推理でもかましてやろう、なんて考え始めると、制服のポケットでマナーモードにしてある携帯が鳴った。
あと十五歩待って欲しかったっ！
校則に従い、校門の外へ走った。
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水上灯 - とちゅうでアジさんとかイシダイさんとか言ったのマジくそワロタｗｗｗｗｗｗ (2022年8月27日 13時) (
レス) id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
はむ - すごく読みやすくて面白いです！完結してしまうと思うと寂しいですが完成を楽しみに待っております！無理のないよう更新頑張ってください！応援しています！！ (2020年5月28日 1時) (レス) id: 655f827a56 (このIDを非表示/違反報告)
木乃伊(プロフ) - とっっても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2020年5月27日 16時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
bu-ko(プロフ) - アッッッ好きィ……………応援してます…！ (2020年5月27日 2時) (レス) id: 11f43cf002 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - コミカルで面白いし、夢主ちゃんのちゃんとしたかわいさもあるところほんとに最高です！！応援しています！ (2020年5月27日 0時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍原 | 作成日時：2018年4月14日 20時
