決して耳は悪くない。 ページ16
ついに念願の入部ができて、ジャージも貰った。
部員の名前も大体覚えられた。
そんなうちの周りで、不可思議な現象が起こるようになった。
『タオルが無かったです……え？』
休憩時間直前、仕事の分担で園崎さんにタオルを持ってくるように言われ、取りに行くとそこには何も無かった。
戻ってそれを伝えながら目に入ったのは、部員さんらがタオルを手にしている姿。
園「あれ？ 私、籠持って行ってって言ったよね？」
どこ行ってたの？ と園崎さんに言われる。
『タオルを、取りに……』
園「そんなこと言ってないよ、私」
なんだか園崎さんの雰囲気がいつもと違う気がするけど、それよりも大変な事が起きている。
園崎さんの追及に、部員らはなんだなんだ、と視線をよこす。
及「はいはい、どうしたの？」
間を割るようにして及川さんが入ってきた。
園「それが、私が言ったのと違うことを小谷さんがして……」
及「どんな？」
及川さんに説明する、園崎さんの声を聞きながら、身体が震えてきそうになる。
園「私は籠を持って行ってって伝えたのに、小谷さんが他の所へ行っちゃって……」
及「うーん。小谷ちゃん、説明してくれる？」
心臓の鼓動が速くなり、視線が彷徨う。
どうしよう。
これ、悪いのは
完全に自分だ。
昔の記憶までもがよみがえってきた。
先生が座ってと指示してみんな座ったのに、聞き間違いをして一人で立ち上がった事。何故かめっちゃ笑われた。
他にも……「小谷ちゃん？」
『あっ、聞いてませんでした！』
突然の回想から戻り、視線が刺さっているのに気付いた。
またやらかした。
及「聞いてないって__『ごめんなさい！』 エッ」
『私が悪いです！ ちゃんと話を聞いたのにも関わらず、勘違いをしてしまいました！』
きっちり九十度で謝罪のお辞儀。園崎さんに向けて。
『こんな、園崎さんのお手を煩わせてしまい……！』
もう土下座の方がいいかな。
しかし、反応が無いのはちょっと困る。怒りで震えてたらどうしよう……！
及「……なんか、伝達ミスなんじゃない？」
園「…………そう、かもしれないです」
ほら、もう顔上げたら？ と及川さんに言われるけど、園崎さんからの許しを得ていない。
くっ、ここに来て日本語力の低さを身をもって感じるとは。
園「もう、いいよ。そんな怒ってないから」
ね？ と首を傾げる園崎さん。
『本当にごめんなさい……』
九十度じゃ足りない。
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水上灯 - とちゅうでアジさんとかイシダイさんとか言ったのマジくそワロタｗｗｗｗｗｗ (2022年8月27日 13時) (
レス) id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
はむ - すごく読みやすくて面白いです！完結してしまうと思うと寂しいですが完成を楽しみに待っております！無理のないよう更新頑張ってください！応援しています！！ (2020年5月28日 1時) (レス) id: 655f827a56 (このIDを非表示/違反報告)
木乃伊(プロフ) - とっっても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2020年5月27日 16時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
bu-ko(プロフ) - アッッッ好きィ……………応援してます…！ (2020年5月27日 2時) (レス) id: 11f43cf002 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - コミカルで面白いし、夢主ちゃんのちゃんとしたかわいさもあるところほんとに最高です！！応援しています！ (2020年5月27日 0時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍原 | 作成日時：2018年4月14日 20時
