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黒い服の女「あぁ、もうこんな時間か…」
俺の唇から離れた女は、うんざりとした表情を浮かべていた。
そしてスマホを乱暴にひったくると、画面をタップしてその音を静かにさせる。
前にこの女が言っていたが、何かのバイトをしてるらしく、その時間を知らせるアラームなんだそうだ。
今となっては、この女がどんなバイトをしてるかなんて興味はないし、知りたくもないが。
黒い服の女「本当はもうちょっとこうしてたいんだけど…そろそろ行かなきゃ…。ごめんねマサト…」
仁人「ううん…。気をつけてね…」
黒い服の女「ありがとう、マサト」
そう言って、女は俺にまたがっていた足をあげて俺の体から降りようとしたけれど、女の足が、俺の体に引っかかる。
そしてそのまま、俺は椅子に縛られた状態のままで横転して体を勢いよく床に打ちつけた。
その際、太ももの辺りに異様なまでの激痛が走る。
何か硬いものが挟まったような、そんな痛さだ。
黒い服の女「マ、マサト、大丈夫？ごめん、痛かった？」
仁人「あ、いや…大丈夫…。そっちこそ、怪我はない？」
黒い服の女「うん、今起こしてあげるね」
手足が縛られているとはいえ、こんな風に介抱されると、なんだか自分が情けなくなってくる。
俺はいったい何をしてるんだろう。
心にもない嘘の愛情を語らされ、一方的で歪んだ愛情を押し付けられ、自由も、何もかも奪われて。
まるで生きている心地はしない。
それならば、いっそこのまま死んでしまいたい。
けれど、それでも、そんな絶望さえも、あの人の笑顔を思い浮かべたら、自然と心が安らぐんだ。
俺が愛した、あの笑顔が…。
黒い服の女「じゃあ、そろそろ行くね。また後でね」
仁人「行ってらっしゃい……」
そして、俺はまた心にもない言葉を口にして、この殺風景な部屋に一人、取り残された。
以前までは、俺が少しでも反抗的だと変な薬を注射器で打たれていたけれど、今はもうそれもなくなり、こんな風に何をするでもなく、ぼーっとあの黒い服の女が帰ってくるのを待つだけだ。
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milkssss(プロフ) - ひぃさん» いえいえこちらこそ変な捉え方をしてしまい申し訳ありません！続きも頑張りますのでよろしくお願いします！ (2020年3月8日 15時) (
レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 良い意味で面白い展開で予想外でした！私の伝え方で誤解を与えてしまったようですみません。続き楽しみにしてます！ (2020年3月6日 3時) (レス) id: 6c73ae34c1 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - いちごさん» 感想ありがとうございます！そんな風に言ってくださると、書いてよかったって思います。ありがとうございます！続きも頑張ります！ (2020年3月2日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - ひぃさん» 感想ありがとうございます！予想外になってしまって申し訳ないです…。続きも頑張って書いていきますので、良ければまた読んでくださると、嬉しいです！ (2020年3月2日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» 感想ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！今日からまた続きちょこちょこ書いていくので、良かったら読んでみてください！ (2020年3月2日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月26日 19時
