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目の前を走る人影は、灰色のロングコートに、黒いスーツ姿の、どうやら男性のようだ。
顔は見えないが、身のこなしから、随分若いように見える。
高校時代はサッカーをやっていたし、今だって大学の友達と一緒にフットサルを週末にやっていることもあって、体力には自信があった。
そのかいもあって、舜太は前を走る姉のストーカーにあと少しのところまで迫っていた。
舜太「待て！このストーカー！！逃がさへんで！！」
今朝、姉が起きてくる前に、姉の家の居候であり、記憶喪失の男、ジントさんと打ち合わせを行っていた。
もちろん、今日のパーティーのための買い出しについてもだが、メインはこのストーカーについて。
もし仮に、自分たちが買い物に出た時にそのストーカーが現れた場合、ジントさんには姉の保護をお願いし、舜太自身はそのストーカーを捕まえて警察に突き出す計画を立てていた。
そして、こいつはやはり現れた。
一体何が目的なのか知らないが、姉を怖がらせるこの悪党を、放っておくわけにはいかない。
やがてストーカーは細い裏路地の方に逃げ込んだ。
もう少しで追いつく。
曲がり角を曲がったところで、舜太はガッツポーズを心の中で決めていた。
何故なら、この道の先は塀が立っていて逃げ場のない袋小路になっているのが見えたからだ。
これでもうこいつは袋の中の鼠だ。
舜太「追い詰めたで！」
このままつかまえて、警察に突き出してやる。
そう思ってストーカーに手を伸ばした。
しかし―
そのストーカーは、何とも軽やかでアクロバティックな動きで、舜太の手をかわすと、壁を蹴ってジャンプし、まるで器械体操の選手やパルクーラー並みの身のこなしで、２ｍはあろうかという塀を側宙で飛び越えたのだ。
舜太「う、嘘ぉおお〜？！」
そうして、塀を飛び越えられ、華麗にストーカーには逃げられてしまったのだった。
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milkssss(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます！最後までお付き合いいただけると、嬉しいです！ (2020年2月25日 21時) (
レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2020年2月25日 2時) (レス) id: f0de405ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月19日 15時
