第二十四話 伏線 ページ27
翌日、人気があり賞賛の的だったハリーが一夜にして１番の嫌われ者となってしまった。どこに行ってもハリーは指を指され、声を潜める事もなくおおっぴらに悪口を言われる。
それは、レイブンクローやハッフルパフまでも言ってくる。
一度でも良い寮だと思った、僕がアホらしい。
「何故、レイブンクローやハッフルパフの貴方達にまで言われなければいけない」
僕がそう言うと、辺りは静まり返る。何故、僕には言わないのか。おおよそ僕の家系のことが怖いのだろう。
はあぁ、と長い溜息を吐き僕はその場を後にする。
その日から僕達は試験勉強に没頭することにした。そうすることによって、少しでも惨めさを忘れることができたからだ。
ハリーと図書館に向かう途中、教室から誰かの声が聴こえてくる。近寄ってみるとクィレル先生だった。
｢……駄目です、駄目。どうぞお許しを｣
よく分からないが、誰かに脅されているみたいだ。頼りない人だとは思っていたが、ここまで遜っている姿は情けないとさえ感じる。
「……わかりました、わかりましたよ」
近づくにつれ、クィレルのすすり泣くような声が大きく聴こえる。
もう少し近づこうと思った次の瞬間、クィレル先生が曲がったターバンを直しながら教室から急ぎ足で出て行った。
僕とハリーは急いで図書館に向かい、ハーマイオニーとロンに先ほどの出来事を伝えた。
「それじゃ、スネイプはついにやったんだ！クィレルが闇の魔術に対する防衛術を破る方法を教えたとすれば……！」
「でもまだフラッフィーがいるわ」
「図書館これだけの本があれば、どこかに三頭犬を突破する方法だって書いてある、か。どうする？ハリー？」
周囲に何千冊とある本を見上げながら言と、ハーマイオニーがダンブルドア校長に報告しようと言ったが、証拠が無いのでその意見は却下された。
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作者名：空天 馬
| 作成日時：2016年6月11日 1時
