第十五話 目的 ページ18
「……あ、これ！」
「あったわ、ここよ。ニコラス・フラメルは賢者の石を作り出した人である！」
ネビルに渡されたカードには、ダンブルドアは盟友ニコラス・フラメル教授との錬金術の研究などで有名であると書かれていた。
ハーマイオニーが何かを思い出しようで、巨大な古本を寮から持ってきてパラパラと捲りだす。
「確か、賢者の石は恐るべき力を秘めた伝説の物体で、いかなる金属をも黄金に変え、命の水を生み出す。これを飲めば不老不死となる……だったか？」
「そう！あの犬はフラメルの賢者の石を守っているにちがいないわ！フラメルがダンブルドアに保管を頼んだのよ。フラメルはだれかが石を狙っているのを知っていたのね」
だから、グリンゴッツからホグワーツへ石を移したのか。そうだとしたら、少し解せないな。ホグワーツには、数々の業績を築いた校長や優れた魔法使いが大勢いる。
あの人が犯人だとしたら、あまりにも計画が杜撰だ。
――――
次の日、グリフィンドール対ハッフルパフの試合が始まろうとしていた。
「ハリー、勝利を祈っているよ」
「うん！がんばるね！」
幸運を祈る、とハリーを見送り観客席に向かいネビルの隣に座る。
さあ、見よう。そう思った矢先、ロンが突然アイタッと情けない声をあげた。不思議に思い後ろを振り返るとドラコがいるではないか。
「ああ、ごめん。ウィーズリー、気がつかなかったよ。それと、A。ピアス付けてくれたんだな、似合ってる」
「……あぁ。ありがとう、ドラコ」
最近の態度さえなければ、素直に笑顔でお礼を言えるんだけどな。溜息を吐いてから、もうすぐ始まるだろうし、僕はハリーを見るために前へ向きなおった。
後ろで何か騒ぎが起きているが、無視しよう。
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作者名：空天 馬
| 作成日時：2016年6月11日 1時
