虎杖悠仁の妹(チビ)は東堂葵と結婚したい。【呪術廻戦】 (ページ13)

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じゅじゅさんぽ続きページ13

どうか、また愛をください。

帰るための電車なんてどこにもないから。

『ねえダアリン、教えてよ、

アナタの声が聞こえたような気がしたの。』

五条は、うわ～と何とも気の抜けた声をこぼした。
が、内心(Aにこんなことする奴いたら八つ裂きにしよう)、と物騒なことを考えていた。
まあ、これでも周囲で一番正気を保っているが。

あの時、枯れた花のように呟いていた、

『もう感情がない、心がどうしようもなく憂いを吐くんだ』

蝉の死骸が転がる中、夕日を裂くような電線の下で

立ち入り禁止の看板を蹴った。

影がドロドロとこぼれるように大きくなっていく。

狗巻は満身創痍だった。枯れた花とはもしや昔の恋人のことではないか、
感情がないとは、もう愛していないということではないか、と無駄に働く発想に、
「たかな……」とかすれた声をもらした。

『もうどこにも見えないの』

泣いて、私への思いを必死に探し続けているの。

『ねえダアリン、教えてよ』

いつまでたっても電話が鳴らないのは、電話が死んでしまっているからよね？

パンダは「人間の歌ってこんなのもあんだな」と半ば他人事だった。
考えることを諦めたとも言う。
とりあえず後でモフらせてやろう…と決意するのだった。

茹るような暑さの中環状線をただ歩く。

『だってここに終点はないもの』

カンカンと鳴る踏切の音を聞き流しながら、

“カラス”の言った言葉を思い出した。

『あの頃にはきっと戻れないさ。

＿＿＿＿＿＿だって君は、大人(母親)になってしまっただろう？』

野薔薇が倒れた。伏黒が崩れ落ちた。夏油が血を吐いた。

真希は激怒した。かの邪知暴虐の“ダアリン”を除かねばならぬと決意した。
可愛い後輩をそんな目に合わせる奴は八つ裂きにしてやる、と。

だからこれはあくまでも曲だっての。

どうか、どうかもう一度愛してほしい。

終わらない輪廻を、アナタの手で終わらせてほしいの。

さようなら、愛しい人(ダアリン)。

『あの日私は大人になった。』

彼らのぐっちゃぐちゃな情緒を完全無視し、無情にも曲はクライマックスへ向かう。

絶えず２人で過ごした時間、１人で歩いた時間を思い出し続ける。

思わず溢してしまった言葉は、もう取り返せずに。

『さようなら、ダアリン』

くるくる廻り続ける環状線を、

『一人哀れに少女よ歩め』

しばらく皆東堂に対して異常に冷たかった、とだけ伝えておこう。