七話 ページ7
「……そろそろ、満足しただろう。……帰るぞ、A」
いつの間にか日は傾き、空は微かに橙に染まりかけていた。
「え、あ、はい、あの、今日はありがとうございました!また……会えますか?」
「えーっと、それは承太郎さんに……」
困ったように笑う仗助は、恐る恐る承太郎の顔を覗き見る。
Aは振り向いて、両手を胸の前で組んで、゙お願い゙のポーズをとる。
承太郎はAを見下ろしてから、長い息を吐いた。
「……仗助達と、都合があえば会わせてやる」
「やった!じゃあ、また会いましょうね、東方君、広瀬君、虹村君!」
またねー!と別れを告げると、Aは承太郎の呼んだタクシーに乗り込んだ。
□■□■
タクシーの中では、小さくラジオから流れる音楽が心地よいBGMとなっていた。
「あの、ありがとうございました、空条君」
にこり、と、Aが笑むと共に、柔らかい金髪がさらりと揺れる。
随分髪が伸びた、そろそろ切る頃かもしれない、と、Aの緩みきった表情を横目でチラリと見てから、承太郎はその小さな頭に手を乗せた。
「ああ……疲れてるだろう?ホテルまで暫くある……休んでおけ」
「ううん、大丈夫です」
ふぅ、と、小さくため息をつくと、承太郎は、Aの頭を自分に引き寄せ、その顔に自分の帽子を被せた。
「わっ、」
「少し休んでろ。どうせすぐに帰るつもりじゃあねえ」
「何処かよるんですか?」
帽子でくぐもった声に、少しだけ表情を緩めると、Aの髪をすいた。
「ああ、少し、な」
表情とは裏腹に、承太郎の声は、少しばかり沈んでいた
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金剛石 - 続き気になると思ったらめっちゃ前の作品かーい^_^ (9月14日 11時) (レス) @page26 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
無益(プロフ) - 続きみたいと思ってきたら7年前の作品かーい^^ (7月24日 23時) (レス) @page26 id: 21d8a5b4ec (このIDを非表示/違反報告)
じゃがりこの虜(プロフ) - 続き見たいと思ったら数年も前の作品かーい^_^ (2022年6月20日 21時) (レス) @page26 id: 9b1b149eae (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 更新の希望あるかなってコメント見にきたら6年前の作品かーい^_^ (2022年6月5日 22時) (レス) @page26 id: 81e883109e (このIDを非表示/違反報告)
れい - 更新待ってます!! (2021年8月4日 23時) (レス) id: 231e6087c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲出雲 x他3人 | 作成日時:2016年5月6日 22時