十話 ページ10
トクリ、トクリ、と、規則的に心臓が動く。
エリナと居る時のように、心臓がぎゅっとしたり、頬が熱くなったりじゃなく、ただ単純に友達であるAと、久し振りにこうやって話ができると言う安心感からだった。
昔、僕、ジョナサン・ジョースターは、彼女に川に突き落とされたことがあった。
その時は、何も分からず、ただただ
"突き飛ばされた"
という事実に酷く腹をたて、紳士ともあろう僕が、川から上がった瞬間に彼女に一撃を見舞ってしまったのだ。
常に感情を浮かべることの無い、青い瞳は、衝撃に揺れ、薄い桃色の唇が数回動くと、彼女は一言"ごめん"と言って、ゆっくりと背を向け、歩き出し、それ以降、彼女に会うことは叶わなかった。
「ジョナサン。」
小さく呼び掛けられた声は、赤ん坊の頃に僕を呼んだ母の声に重なってしかたがない。
「ああ、それでね_____」
飽きずに喋り続ける僕を、柔らかいアイスブルーの瞳で見つめながら、時々、"そう""へぇ"などと相槌を打ってくれる。
ディオが来てからというもの、徐々に侵略されていく僕の世界が、少し、広がった気がして、とてもとても嬉しかった。
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東雲出雲(プロフ) - 罠做さん» ありがとうございます!文章が素敵だなんて(*´ー`*)続編できましたので、そちらもどうぞ宜しくお願い致しますm(__)m (2015年8月18日 11時) (レス) id: 64e849f3b1 (このIDを非表示/違反報告)
東雲出雲(プロフ) - ランタンさん» ありがとうございます!続編ができたので、そちらもどうぞ宜しくお願い致しますm(__)m (2015年8月18日 11時) (レス) id: 64e849f3b1 (このIDを非表示/違反報告)
罠做(プロフ) - 続編楽しみにしてます!!文章が素敵で読み易かったです、続き気になりますねo(^▽^)o (2015年8月18日 2時) (レス) id: 1a112de355 (このIDを非表示/違反報告)
ランタン(プロフ) - この話とてもよかったです!続編も頑張ってください! (2015年8月17日 20時) (レス) id: 751d6d43a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2015年8月15日 11時