第五話 ページ6
陰口を言われた。
「ほんと、Aちゃんって、気味が悪い」
「表情筋ないんじゃない？」
「笑わないし」
「暗いし」
「敵向きの個性」
「化け物。」
母の言いなりになっていた。
「ほんと、あんたって気味が悪いし、何も出来ない」
「うまなきゃよかった」
「あんたは、生きてる価値はなかった」
「他の子を見てみなさい。」
「お母さんの言う通りにしなさい」
「お母さんが絶対よ」
「雄英高校に入らせてあげる」
誰からも期待されなくなった。
「まぁ、もともとこいつはダメだから」
「運動音痴だしね」
「ダメ人間」
「どうせダメだろう。」
「本当に駄目ね！」
何も見えなくなった
「いてもいなくても変わらないしw」
「影薄い〜！」
「あっ、いたんだぁ！」
「椅子に座ってるだけじゃんね」
「あんたなんて生まなきゃよかった」
「‥‥。」
彩りが消えた
「お母さんの言うことを聞いていればいいの。」
「あっ、Aさんは、やらなくていいの。」
「Aさん？あー、いたっけ？そんな子」
「この子の側に近寄らない方がいいよ。刺されるし」
「怖っ」
唯一の光も。もう、私には。
勝「おい、Aっ！帰んぞ。」
出「Aちゃん？顔色悪そうだけど‥。大丈夫なの？うち、よってく？」
ごめんね。
ごめんなさい。
謝るしか能がなくて。
影が薄くて、ごめんなさい。
敵向きな個性でごめんなさい。
出来損ないで、ごめんなさい。
そんな私の一人芝居。
全てが崩れて落ちた。
崩れるのはあっという間で、
呆気なかった。
ひとつひとつ、雨粒がたまるように。
たまってたまって、たまって。
溢れていた。
『はあっ、はあっ、はあっ、はあっ』
「何を‥したの‥。お母さんを‥助けなさい‥よ‥。」
私の長く青い髪の先端は、ジェルのように濡れて、先端は濃いピンク色のようになっていた。
先端は濡れており、水が滴り落ちていた。
私の髪の触手は母の首に何本も絡んでいた。
母は、息絶え絶えで、自らの腕を動かす気力も無いようだ。
カツオノエボシ。私はこの個性を知っていた。
皆は毒針と言っていたけれど。それは小さい頃の話だ。刺されると、電流が走ったかのような痛み。最悪、ショックで‥。二度刺されるとアナフィラキシーショックを起こす。その刺し跡は大人になっても残るとか‥。
『お母さん‥。』
「はやく、たすけてよ‥。」
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鶉野 - 応援、ありがとうございます。面白いと思ってくださったのなら嬉しい限りです。更新、頑張らせて頂きます。 (2020年5月25日 6時) (
レス) id: 1589f04ac1 (このIDを非表示/違反報告)
ヱる - 凄く面白いです。主さんのペースで無理せず更新頑張ってください。 (2020年5月25日 0時) (レス) id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶉野 | 作成日時：2020年5月18日 14時
