ロマニは甘党 ページ49
【ロマニ・アーキマン】
ロマニ
『はい、バイタルチェックはお終いだよ。』
A
『ありがとうドクター!』
週に一度行われるバイタルチェック。
カルテから顔を上げたドクターが、にっこりと笑った。
そこで、あることに気づく。
A
『ドクター、クマ出来てる……。』
ロマニ
『えっ……。』
そっとドクターの頬に触れると、少し顔色が悪いような気もする。
A
『今日は何徹目なの。』
ロマニ
『いや、まだ今回は少ない方で……』
A
『何徹目なの。』ジー
問い詰めると、ドクターは観念したように目を伏せた。
ロマニ
『3……です。』
3日も寝ないで働き詰め。
本人は何かしてない方が落ち着かないだなんて言うけれど、身体の方が悲鳴をあげている。
これは見過ごすわけにはいかぬ……!!
A
『ドクター。』
ロマニ
(ビクッ)
A
『今日は、私の言う事全部聞いて下さい…ね?』
ロマニ
『ひ、ひぇぇぇ……。』
ロマニ
『こ、これは一体……。』
医務室からドクターを引っ張りだし、向かったのは食堂。
A
『うーまー!』
目の前にはエミヤ特製スイーツの山々。
ショートケーキ、モンブラン、ロールケーキにフルーツタルト、シフォンケーキ、カスタードプリン、シュークリームにコーヒーゼリー!
エミヤ
『マスター、今日は特別だからな…。ああ、君も遠慮しないで食べてくれ。マスターが君のために用意した席だからな。』
もくもくとドクターを差し置いて食べる姿を見れば、本当か?と思われるかもだけど、本当。
ドクターと初めてお茶をしたときも、側には甘いものがあった。
サボっているとき、休みたい時、ドクターは甘いものを必ず食べる。
ドクター
『う、うん。じゃあいただくよ……。』
遠慮していたドクターも、フォークを手にとってケーキを一口。
ドクター
『お、美味しい……!』
A
『あ、ドクター!私もそれ食べたい!』
ロマニ
『えっ、それ僕が今使ったフォークだよ!』
A
『んむっ!これも美味しい〜!』
ん?
ドクターが私の顔をじっと見ている?
ロマニ
『Aちゃん、ほっぺにクリームついてるよ。……ん』
A
『!!』
指についたクリームをドクターは舐めとると、チラリとこちらを向いた。
ロマニ
『こういうことするのは、僕とだけにして欲しい…かな。』
口の中のクリームが、甘くなった気がした。
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てでん - 今更かもしれませんが……どちゃくそ面白かったです (2020年11月15日 0時) (レス) id: 210a21a08c (このIDを非表示/違反報告)
ラブさん - 孔明リリィとイチャコラ(健全) (2020年4月4日 13時) (レス) id: 794297709b (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁 - ちょっとピンクな展開からギャグになるのが堪らなくおもしろいですッ!!!!!! (2019年12月18日 16時) (レス) id: 6a1031d99d (このIDを非表示/違反報告)
クレハ(プロフ) - とても今さら感がありますが…金平糖は南蛮貿易の時に入ってきたお菓子ですよ〜… (2019年6月2日 11時) (レス) id: de682292c0 (このIDを非表示/違反報告)
第一村人 - お疲れ様です!一気読みしたのですがとても素敵なお話で魅入りました!欲を言ってしまえば続編期待してます! (2018年6月24日 1時) (レス) id: 2f2b87b930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九曜桜(クヨウザクラ) | 作成日時:2017年12月28日 13時