花と夢と現実と ページ22
【マーリン】
リクエスト:碧月様
サイレンが、鳴り響いている。
ダヴィンチ
『っ……、まだ見つからないのか!』
スタッフA
『駄目です、監視カメラ全機彼女の姿を捉えていません!』
スタッフB
『カルデアより霊基が消失したサーヴァントを確認!クラス、キャスター…』
ダヴィンチ
『クッ、何をする気だ………マーリン!!』
in???
A
(ん……………。)
花の、香りがする。
暖かな、温度が心地よい。
マーリン
『……おはよう、マイロード。』
A
『……マーリン。』
目を開ければ、一面の花園。
少し遠くには、注に浮かぶ白い塔。
一体ここは……。
マーリン
『やあ、気分はどうだい?』
目の前に、マーリンが立っていた。
寝転んでいた私に手をのべて、起こしてくれる。
A
『うん、………とってもいいよ。』
身体を撫でる涼やかな風が、胸の中のモヤをかき消していく。
胸の中のモヤ……?
一体何を悩んでいたんだっけ……?
マーリン
『ああ、キミは何も考えなくていい。ここは理想郷だからね。辛いことがあったら忘れてしまう……。』
そっと一輪の花を摘み取り、マーリンはそれを宙にかざす。
A
『あ………。』
するとその花は瞬く間に花びらへと変わり、風にさらわれていった。
マーリン
『こんな風にね。』
マーリンは寂しそうに笑ってみせる。
あれ、何かがおかしいな………。
A
『……マーリン、私何を悩んでいたんだっけ?』
マーリン
『……………まだその話かい?』
胸の中の何かが晴れれば晴れるほど、何故か喪失感…?
なにか、大事なモノを忘れているような……。
マーリン
『大丈夫、君は立派な主人公だったさ。』
A
『そう………。』
明るく、美しく、暖かい。
本当に理想郷だ。
今までとは真逆の世界だからこそ、何かが突っかかる。
今までとは真逆の……?
私が……、本当にいた場所って………。
A
『ねぇ、マーリン。やっぱり私……』
マーリン
『まだ良くない夢から醒めていないようだね。』
マーリンの手が私の目を覆う。
………そして、視界は暗闇に染まった。
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てでん - 今更かもしれませんが……どちゃくそ面白かったです (2020年11月15日 0時) (レス) id: 210a21a08c (このIDを非表示/違反報告)
ラブさん - 孔明リリィとイチャコラ(健全) (2020年4月4日 13時) (レス) id: 794297709b (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁 - ちょっとピンクな展開からギャグになるのが堪らなくおもしろいですッ!!!!!! (2019年12月18日 16時) (レス) id: 6a1031d99d (このIDを非表示/違反報告)
クレハ(プロフ) - とても今さら感がありますが…金平糖は南蛮貿易の時に入ってきたお菓子ですよ〜… (2019年6月2日 11時) (レス) id: de682292c0 (このIDを非表示/違反報告)
第一村人 - お疲れ様です!一気読みしたのですがとても素敵なお話で魅入りました!欲を言ってしまえば続編期待してます! (2018年6月24日 1時) (レス) id: 2f2b87b930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九曜桜(クヨウザクラ) | 作成日時:2017年12月28日 13時