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トントンして?(桃×青) ページ17

(桃)







「…もうほっといてってば!」


『心配やから言うてるのに!流星なんかもう知らへんっ!』







……あんな言い方をしてしまったことを後悔して早1時間。


自分からパタンと寝室に閉じこもってしまったから、出るに出れへん。


流星がしんどそうにしてたから心配で、


「頑張りすぎ」


「無理したらあかんで」


「しんどいんやろ?」


なんて次々に言ってしまって。


しんどいけど頑張って台本覚えようとしてた流星の気持ちを無視して、自分の気持ちばかり押し付けるようなことをしてしまった。


他の仕事が忙しい中ドラマのお仕事が来て、台本はしっかり叩き込んでおきたい派の流星はここ最近寝る間を惜しんでずっと台本を読み込んでた。


季節の変わり目やから体調崩しやすいから心配してたんやけど、今日は体調良くないみたいで身体は熱いしぼっーとしてるように見えた。


休んで欲しい、ただそれだけの気持ちやったんやけど、それが上手く伝えられへんくて。


寝れるわけもなく寝室の窓から外を眺めていたら、リビングからげほっげほっと苦しそうな咳が聞こえる。







急いで向かうと、苦しそうに床に座り込んで咳込んでる流星がいて、少し呼吸も乱れてるみたい。


「…げほげほっ、っう、…げほっ」


苦しさからか瞳がうるんで、顔を歪めている流星に申し訳なさがどんどん募っていく。


包み込むように抱きしめて、


『ゆっくり呼吸しよっか。俺に合わせてな?』


少し震えながらも一生懸命俺に合わせて呼吸をして、少しずつ少しずつ落ち着いていく。


頭をふわりと撫でてから、背中を摩って、


『苦しかったな、もう大丈夫。大丈夫やで』


と話しかければ、瞳からぽろぽろと涙が溢れ落ちる。


「…のぞむっ、ごめ、……しんぱい、してくれてたのにっ」


ひっくひっくと泣き出した流星。


『…俺もごめんな?流星の頑張りたい気持ち分かってたのに……』


ふるふると小さく首を横に振って、ぎゅっと握りしめた拳にぽたぽたと涙を落とす。


「…のぞむ悪ないっ、俺が、っ…げほっげほっ」


『分かったから、もう無理して話さんでええよ。ちょっとお水飲もうか。持ってくるな?』


一旦流星から離れてキッチンへ向かおうとすると、服の裾を掴まれる。


「…いやや、ここいて」


泣きながら離れたらいややって駄々をこねる流星が可愛すぎて、ぎゅっと抱き寄せる。








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作者名:流優 | 作成日時:2021年10月31日 17時

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