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(桃)
30分くらいたった頃、そろそろ準備しに行かないといけない時間になった。
もっと寝顔見つめてたいけど、流星起こさなあかんか……
『りゅう?りゅう起きて?』
優しくトントンと肩を叩くと、むにゃむにゃと目を擦っている。
かと思いきや、急に起き上がって驚いた顔をする。
「……え、?」
『…ん??』
「……俺なんで望の膝の上で寝てんの?」
『…え、もしかして流星元に戻ってる!?』
「…いや生まれてからずっと流星やけど」
『戻ってるな』
「…へ、どういうこと?」
経緯を説明すると、顔を真っ赤にしながら驚いてる流星。
「え、恥ず!みんなにそんなんしてたん?」
『めっちゃ可愛かったで〜?』
ニヤつきながら言うと、恥ずかしいのか頬をふくらませてむくっ〜としてる流星。
恥ずかしい時に恥ずかしさを誤魔化すためにするねんて。
…よく分からんけど可愛い。
「…もう催眠術解けたから甘えへんもん!」
『普段からあれくらい甘えんぼさんでも可愛いのに』
「むりっ」
ご機嫌ななめな流星はぷいっとそっぽを向いてる。
あかん、でも何しても可愛く見える。
後ろからぎゅっと抱きついて、流星の肩に顔を乗せれば、髪や耳が触れ合ってこそばゆい。
流星も擽ったそうにしながら耳まで真っ赤にさせてる。
『催眠術のせいとはいえ、可愛いかったなあ〜。でも催眠術なくても甘えんぼで可愛い流星は大歓迎やで?』
そう言えば、
「……普段の俺やと可愛くないみたいやん」
なんてぼそぼそ言ってくるから可愛すぎて倒れるかと思った。
強くむぎゅうと抱きしめる。
『流星は生きてるだけで可愛いです!!何してても可愛いからそのままでいい!』
「もう望うるさいっ!」
流星には結構本気で怒られちゃったけど、どんな流星も可愛くて大好き。
もう一度むぎゅうときつく抱きしめた。
end.
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作者名:流優 | 作成日時:2021年10月31日 17時