ひたすら愛される流星くん４ (ページ11)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:67,292 hit

いつもいっぱいありがとう(橙×青) ページ11

(橙)

「……流星？」

『………ん〜』

ああ、今日はちょっとあかん日かな？

「よし、とりあえず起きよっか？」

『………んーん、』

「流星の好きなサンドイッチ作ったで？一緒に食べへん？」

『……たべる』

「よし、ほな行こっか？」

んっ、と腕を伸ばしてくる流星の腕を引っ張り起き上がらせる。

一度ぎゅうっと抱きしめると、口角をキュッと上げて可愛らしく笑い、そのまま俺の首元にすりついてくる。

「りゅう、お顔洗いに行こっか？」

『…ん。あきと、一緒に、来てくれる？』

「ちゃんとりゅうがお顔洗うまで一緒にいるで？」

『んふ、ありがと。りゅう、ちゃんとお顔洗うね』

「ん、ええ子やな〜」

頭を撫でると猫みたいに嬉しそうに微笑む。

流星はちょっとだけスムーズに行動することが難しくて、言葉にすることが難しくて、考えすぎて頭がいっぱいいっぱいになってしまう。

その分周りのことをよく見てるから人一倍優しくて、そしてその分傷つきやすい。

みんなと同じペースで同じことをすることが苦手なだけ。

やのに、子どもにはそんなこと理解するのは難しくて、幼少期から周りに上手く馴染めへんかった……

……いや、ものすごく酷いことをされていたらしい。

優しい流星は告げ口もせず、上手く言葉に出来ないから相談もできず、一人で悩んで悩んでしんどくなって倒れてしまった時に初めて周りの大人が気づいたくらい。

流星は両親を幼い頃に事故で亡くしていて、小学生の時に遠い親戚であるうちの家へと来た。

元々の流星の性格と両親のこともありショックのあまり、今よりも人と上手く関わることができず…。

授業も一緒に受けらへんくて、学校から問題児認定されていた。

俺の親もどう関わっていいのか…といった感じで4歳違いの歳の近い俺が一緒にいることが多くなっていった。

流星は俺には心を開いてくれたみたいで、流星なりに頼ってくれたり、甘えてくれたり、ほんまに可愛い存在。

ちょっと疲れてた日に、とことこと歩いてきて頭を撫でてくれた時は驚いた。

誰にも何にも言うてへんのに。

流星の人の気持ちに敏感で心優しいところに何度も救われたなあ……。

.