愛さない結婚をあなたと (ページ7)

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部屋を片付けてから車でレストランに向かった。

私達は親には挙げろと言われてるけど今のところ結婚式をする予定はない。

だから2人でささやかなお祝いと言うか、儀式をしにレストランで食事をする。

彼が気を利かせてフレンチのコースを用意してくれた。

少し暗めの店内といい雰囲気のBGM、目の前にはハイスペックな夫。

前菜からお洒落な食べ物がいっぱいでとても美味しくて幸せ。

「美味しかったです。ありがとうございました」

お礼を言うと、彼は当たり前だとでも言うような表情で頷いた。

「うちのホテルのレストランだからな」

「啓さんが直々にスカウトしたシェフですよね？」

新しいシェフを探すのに世界中を飛び回って、惚れ込んだシェフをスカウトしたりする、それも彼の仕事の1つだ。

時にはシェフを連れてくるのに1ヶ月もずっと海外に行ったきりだったりする。

だからこそ最高のシェフを揃えることができる。

「まあな」

仕事のことを褒められると嬉しいみたいで自慢げに言った。

彼は本当に仕事ができて、私は彼を尊敬している。