愛さない結婚をあなたと (ページ4)

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朝、いつもより少し早く起きた

一応籍を入れるんだからおしゃれしないとね。

オレンジの口紅と目尻にオレンジのアイシャドウを入れて大人っぽくした。

服は白の長いワンピで、ブラウンのミディアムの髪はゆるく巻いた。

赤いヒールを履いて、ネックレスと指輪をつけたら準備完了。

「おじさん、おばさん、行ってきます」

家を出る時はちゃんとお見送りをしてくれた。

愛されてはいなかったけど、それでも何不自由なく育ててくれた2人には感謝している。

「うまくやれよ。離婚したらうちは大損だからな」

そう言っておじさんは会社に行く準備をしに部屋に戻った。

最後ぐらい、私を気にかける言葉が欲しかったなんてわがままかな。

荷物はもう新しい家に運んであるから、小さなバッグだけを持って家を出た。

家の前には啓さんの車が止まっていて、私は助手席に乗る。

「よろしくお願いします」

これから、婚姻届を出しにいく。

愛さない結婚を、あなたと________。