【派生】及ばぬ恋の滝登り4 (ページ23)

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I’m a royal cat!〜娘ver〜※猫化ありページ23

ある日の朝､エヴリュディケ学園の中庭で散歩をしているカップルがいた｡

彼らは生物教師のヘル•シャフトとルキノ•ドゥルギ｡天気が良く暖かい日に散歩をしないなんてもったいないというヘルの提案により､一緒に歩いているのだ｡

ルキノ｢…悪くないかもな､こういうのも｣

ヘル｢だね〜…って､何あれ?｣

仲良く2人で話していると､不意にヘルが立ち止まる｡ベンチの上に見慣れないものを見つけたからだ｡

恐る恐る近づいてみると､それはベンチの上で丸くなって眠っている猫だった｡真っ白な毛に覆われた全身は見るだけで虜になってしまいそうなほど美しく､造形美なのかと疑うほど整った顔をしている｡

ヘル｢わぁ､可愛い…｣

思わずそう呟いて手を伸ばそうとした時､猫がくわぁっと欠伸をしながら目を覚ます｡

驚いて手を引っ込めたヘルをよそに､猫が伸びをしてからゆっくり目を開いたその瞬間､2人にとって見覚えのある色が現れる｡

ヘル､ルキノ｢｢こ､この赤色ってまさか…/この朱殷の目は…｣｣

2人がお互いにこう言いかけると､どこからともなく圧のある気配がし始める｡

イドーラ｢よく気づいたわね…♪この子はあなた達の教え子の…何て言ったかしら?そうそう､“桃寺陽一”よ♪｣

ヘル｢イドーラ様…!｣

蛇のような体をクルクルさせると､彼女は陽一の頭を優しく撫でた｡

ルキノ｢…どういうつもりで?｣

イドーラ｢別にこれといった理由はないけど…強いて言うなら暇だったのよ｡だからこの子で遊んだだけ♪｣

___桃ちゃんを何だと思っているんだ｡

そう言いたいのを我慢して､ヘルはイドーラを見つめた｡

イドーラ｢そう怖い顔をしないでちょうだい…この子に悪さなんてしていないし､その気になればいつでも戻せるんだから…｣

今のうちに楽しんでおきなさい

そう言い残すと､イドーラはスッと姿を消した｡イドーラの話が正しければ､どうやら陽一はイドーラの暇つぶしに振り回されてしまったようだ｡

しかし当の本人に気にしている様子は全く見られず､むしろ2人にスリスリしたりと完全に猫として楽しんでいるようだった…最も､魔トカゲであるルキノは軽く追いかけ回されたが｡

このまま外に置いておくわけにいかないと判断した2人は､とりあえず室内へと連れて行くことに決めた｡
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キリが良いのでネクスト!

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