Happy Valentine's Day!〜for Dear My Little Friend〜 ページ16
2月14日の朝｡探していた人物と廊下でばったり会った俺は､微笑みながら声をかけた｡
陽一｢ワフォンさん｡これ､良かったら｣
ワフォン｢?これ､なあに〜?｣
不思議そうにするワフォンさんの掌には､綺麗に包まれた小さなプレゼントがあった｡
陽一｢もしかしてワフォンさん､今日が何の日か知らないのか?｣
俺は首を傾げながらそう聞いた｡
ワフォン｢?うん｡おめでたいひなの〜?｣
陽一｢今日は『バレンタイン』と言って､大切な人にチョコレート等の贈り物をする日なんだ｡だから､ワフォンさんにもプレゼント｣
ワフォン｢ワフォン､桃寺おねえちゃんのたいせつなひと〜?｣
陽一｢あぁ｡もちろん｣
ワフォンさんはしばらく俺の顔とプレゼントを見比べていたが､やがて彼女もニコニコと笑った｡
｢そう言えばワフォンさんは[神霊さん]にあげねぇのか?チョコレート｣
不意に気になった俺は､そう尋ねてみた｡
ワフォン｢チョコレート…?ワフォン､つくったことないよ〜?｣
陽一｢えっ…学校とかで習ったり､親と作ったりしなかったのか?｣
その瞬間､数秒だけワフォンを纏う雰囲気が変わった｡
ワフォン｢…うん｡おとうさんもおかあさんも､がっこうも､ワフォンしらないよ?｣
あ､やべ…そう直感した俺は､それ以上探るのをやめた｡
陽一｢…そっか｡なら[神霊さん]にワフォンさんからチョコレートを作ってあげようぜ!俺も協力するから!｣
俺がそう言うと､ワフォンさんは瞬く間にキラキラと目を輝かせた｡
ワフォン｢ほんと〜?桃寺おねえちゃん､チョコレートつくれるの〜?｣
陽一｢ああ![神霊さん]の喜ぶ姿､見てみたくないか?｣
ワフォン｢!うん､みてみたい!｣
陽一｢なら決まりだな!｣
2人で遅めのバレンタインチョコレート作りに盛り上がっていると､誰かの足音が聞こえてきた…恐らくヘル先生だな｡
ヘル｢あら､楽しそうね｡何してるの?｣
陽一｢ヘル先生!放課後､ワフォンさんと遅めのバレンタインチョコレート作りをしようって話になっていたんです｡ワフォンさん､チョコレートを作った事がないって言ってて…｣
ヘル｢まあ､素敵ね!ワフォンちゃんは誰にあげるの?｣
ワフォン｢[神霊さん]だよぉ〜｣
ヘル｢素敵ね〜!良ければ私も同行して良いかしら?ワフォンちゃん達のお手伝いをしたいの｣
その言葉でワフォンさんの顔は一気に大きな笑顔になった…年相応の可愛らしい笑顔だ｡
こうして､3人で放課後にチョコレート作りをする事が決まったのだった｡
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作者名：コードネーム13@現在第五人格の企画参加者募集 x他1人 | 作者ホームページ：ない
作成日時：2023年1月27日 16時
