29.「知る必要ないよ。」 ページ30
___夢は、その人の深層心理というものを表すそうだ。
真っ白い世界。
地面は柔らかくて、ほんのり暖かい。
「ねぇ！おねえさん！」
ふと、足元から声がした。
下を見てみると、小さな女の子がテスト用紙を持って私の方を見つめていた。
どうだ、とでも言いたいかのような、そんな顔。
「……なに、なんかあったの？」
「あのね！私ね、算数のテストではなまるもらったの！はなまるぴっぴって、ミホちゃん言ってた！」
ああ、そんなことか。
私も昔はそれくらいの小さなことでよく舞い上がってたなあ。
昔は、そんなもんだった。
よくあんなのに必死になれたものだなあ。
「…お姉ちゃん？」
「……あ、ああ。すごいね、いい子じゃん。」
女の子の顔は見えない。
顔だけ影になって、何も見えないのだ。
口元だけが、辛うじて見える。
「うんっ！！わたし、いい子！！でもね、後のの私はダメな子なの！どんどん、悪い子になってくの！」
「へぇ。なんでそんなことが分かるの？」
冷たい風がどことなく吹きつける。
もうすっかり冬なのだ、仕方がないのだろう。
「それはね、今知ったから！」
「今？よく知れたね。」
吹き付けていた風が、ふっと止まった。
良くないことが起こりそうな、そんな予感が。
「だって、目の前にいるんだもん。」
「は？目の前って、あんたの目の前には私しか居ないんだけど」
まさか、この女の子は昔の私だとでも言いたいのか。
そんなはずない。
私はこんなに可愛くなんてなかったし、もっと気だるかったはずなのに。
要らない子だったはずなのに。
「あのね、お姉ちゃん！わたしね、今頑張ってるの！要る子になれるように、頑張ってるの！……お姉ちゃんは、頑張ってるの？」
「頑張ってるよ、だって毎日家事を手伝ってるし、バイトだって真面目にやってお金稼いでるし、それからそれから、」
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kuu - これいちいち歌の歌詞になってますね、 (2022年1月1日 12時) (
レス) @page38 id: f964c54957 (このIDを非表示/違反報告)
kuu - 面白いです、これからシリアスだったり恋愛がある、が楽しみです (2022年1月1日 10時) (レス) @page1 id: f964c54957 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高すぎます (2020年9月24日 2時) (レス) id: e43e7b87c6 (このIDを非表示/違反報告)
偶数LOVE！(心々) - なるべく早く更新してくださいっ……！……お願いです………………本当に楽しみすぎるのですよっ！！ (2019年9月7日 18時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)
偶数LOVE！(心々) - なんでこんなに文才があるのですか？？これは絶対ず〜っと！過去最高1位ですねっ！！(納得です♪)どんな小説の中でも1番好きですっ！(本当に) 星なんかいも押したいけど、前も押したからムリだ……… (2019年9月7日 18時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竹ノ狐。 | 作成日時：2015年11月26日 1時
