5.「パーカー」 ページ8
「あ!A兄さんっ!はい、これ荷物!」
居間に入ると、真っ先にトド松が声をかけてきてくれた。
手元には白い本体にピンクっぽい色のケースがつけられスマートフォンが握られてきた。
「あ!ありがとなトド松ゥ!!…よっこらせっと……うわあ…やっぱ二年分の荷物って多いな…」
兄弟でお揃いのパーカーが3着に、これまたお揃いのつなぎが1着、白いお揃いのパーカーが2着に、つなぎの下とかにきる肌着とか下着とかがたくさん……。服だけでもぎゅーぎゅー詰めだ。
「あ!俺手伝う!!」
隣でその状態をみていた十四松が手を挙げて、せっせと荷物を丁寧に畳へと移していく。
「…あ!お揃いの松パーカーじゃん!A兄さん、そっちに着替えちゃえば??」
いつの間に居たのか、十四松の隣で服をたたみ直していたトド松が俺の黒いパーカーを見つめてそういった。
「あーそうだな。今の服完全に私服だし。……あーでもどうしよ。オレンジと黒、2つあんじゃん?どっち着ようかなあ…」
本当はオレンジ色のパーカーが3着だったのだが、何かの拍子で汚れてしまい、汚くなってしまったのでお母さんに頼んで新しいパーカーを作り直してもらった。
そのときたまたま黒い布しか無かったから黒いパーカーが1着にオレンジ色のパーカーが2着という結果になった。
「俺としては黒がいいけど…うーん」
「何を悩んでいるんだ?我が弟よ。」
ふと、先ほどまで鏡をみていたカラ松兄さんがこちらへ這ってやってきた。
はいはいの仕方が無駄にかわいい。
「パーカーに着替えようと思うんだけど、どっちの色にしようかなって。」
「なんだ、そんなことか。……俺なら断然、シックでクールな黒を選ぶな。」
腕を組んで、ドヤ顔をしながらそう言われた。
やっぱり黒の方がいいかな。シンプルでいいし。
「えー!俺はオレンジ!!俺と似た色!!!」
「十四松兄さんらしいね!僕はA兄さんの好きな方を着ればいいと思うよ!」
「……うーん、一松兄さんは?」
意見が割れたため、隅っこの方で猫と戯れていた一松兄さんに意見を聞く。
「…どっちでもいい。」
何故か猫の口を押さえながらそう答えた一松兄さん。何かあるのか??
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くもの巣 - テンション高尾wwwwすばらしいwwww (2016年3月11日 20時) (レス) id: b8ecd8eab1 (このIDを非表示/違反報告)
松竹梅 - とても面白いです!!更新更新頑張ってください!応援してます!!! (2015年12月28日 13時) (レス) id: 2e028300d7 (このIDを非表示/違反報告)
四里緋。(プロフ) - エンドさん» そうだったんですか!そうとは知らず載せてしまいました!!教えてくださりありがとうございます、消しておきますね!! (2015年11月25日 7時) (レス) id: cdc15d1d82 (このIDを非表示/違反報告)
エンド - Twitterのアカウントの載せるのは違反ですよ (2015年11月25日 0時) (レス) id: db4e39ba66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竹ノ狐。 | 作成日時:2015年11月17日 21時