□47.手首の熱 ページ7
***
コンビニに入って、
商品ケースに入っているお酒をカゴの中に入れる。
味とか種類とかよく分かんないけど、
とりあえずカゴに入れる。
さっきのやつよりだいぶ度数の高い物も
何個かあったけど、
…まあいいや。
.
深夜0時のコンビニで、
手当り次第のお酒をカゴに入れる女の姿は、
結構痛い気がするけど、そんなんどうでもいい。
とにかく飲んで忘れたい気分だ。
深く考えずにどんどんカゴにお酒を入れていく。
.
右手でワインのボトルを取ろうとした時、
急に後ろからｶﾞｼｯと手首を掴まれる感覚。
びっくりして恐る恐る振り返ると…、
.
.
直輝｢……そんなに買ってどうする気？｣
｢…な……っ、｣
.
掴まれた右手にはめちゃくちゃ力が込められている。
振りほどこうとしてもビクともしない。
.
こんだけ長く一緒にいれば、
多く言葉を交わさなくともわかってしまう。
彼は今、かなり怒っている。
.
.
｢………何って、…飲むの。お酒だもん。｣
でもここで怯んだら負けだと思い、
あくまで普通に、自然に会話を続ける。
.
直輝｢Aお酒好きじゃないじゃん。
弱いし、普段全然飲まないよね？なのになんで？｣
｢飲みたい気分の日もあるの…！
…いいじゃん！私だってもう大人なんだし…！｣
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年2月14日 23時
