□41.Your doll ページ1
***
｢本当にこれで催眠状態なの？｣
直輝｢そう。もうすぐ目が覚めると思うから
Aはそろそろ帰んなよ。｣
｢…はーい。｣
.
直輝に連れられてきた暗い部屋で、
ソファーに座り込んで眠っている女の子が。
彼女がこの前直輝が言っていた
“スーパーヒーロー”なのだろう。
.
｢凄いね…、この子の別人格を呼び起こすなんて。｣
直輝｢彼女が思ったより信頼してくれてて助かった。｣
.
ん？と不思議そうな顔をしている私に気がついたのか、
“相手のことを信じきっていればいるほど、
こういう催眠はかかりやすくなるんだよ”
って教えてくれた。
.
｢へえ…、じゃあ私も絶対にかかる自信ある。｣
直輝｢催眠？｣
｢うん。だって直輝のこと120%信頼してる。｣
直輝｢それはどうも。｣
｢あっ…、ねえ、今度私にもかけてみてよ！｣
.
彼のかける催眠への興味が膨らんで、
キラキラした目で彼を見つめていたら、
ふ、と視線を逸らされてしまった。
.
直輝｢…Aにはかけないよ。｣
｢えっ、なんで？実験台でもなんでもやるよ？｣
直輝｢ダメ。絶対。｣
.
頑なに拒否する直輝にちょっと凹む。
…そうですか、そうですか。
私じゃ実験台にもなりませんか。
.
直輝｢なんか勘違いしてそうだから言うけど、
Aが役立たずとかそういう話じゃないからね。｣
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年2月14日 23時
