独り ページ32
「俺は貴族の息子なんだ」
エースとルフィに、帰り際の男について問い詰められたサボはそう話す。
当の二人はその回答を聞いて
「で？」なんて言っているが、「さっき俺を呼び止めたのは父親だ」と言うとエースの表情が変わった。
｢お前らには…嘘を吐いてた。ごめんな｣
｢謝ったからいいよな、俺は許す｣
｢事によっちゃ俺はショックだ｣
それぞれの反応をする中、私は前にグレイターミナルで育ったと話しづらそうにしていたサボを思い出した。
｢貴族の家に生まれて、なんでわざわざあんなところに｣
｢なにか…事情があるんだよね｣
何不自由ない生活から逃げるということは、きっと理由があるはず。
数秒の間を置いて彼は話し出す。
｢俺が家を飛び出したのは…
あの家にとって俺が、邪魔だったからだ。
あいつらに必要なのは地位と財産を守っていく誰かで俺じゃない。王族の女と結婚出来なきゃ俺はクズ。出来の悪さに両親は毎日喧嘩。
お前らには悪いけど、俺は親がいても…
独りだった。｣
そこまで一気に話すサボは、濁った目をしていた。
私と似ているようで全く違う境遇に鳥肌が立った。貴族は何でも持ってると思われるかもしれないけど、サボにとって必要なものはそこにはない。
ただそれだけの事が、自身には深い傷を残す。
でも、それでも
｢逃げた先に…エースと、ルフィと、私がいるから｣
もう独りじゃないよ。
サボの目を見て、そう伝えた。
*
「はは…そうだよな。よっし。
エース、ルフィ、A！俺たちは必ず海へ出よう！
この国を飛び出して、自由になろう！」
サボが海へ宣言するとそれに合わせエースとルフィも各々海へ叫び出す。
皆海賊になるっていう目標の先に成し遂げたいことがあるんだ。
なら…私は
「私は地位も身分も関係なく…人を守る仕事がしたい！」
例えば、私に手を差し伸べてくれたガープさんのような海兵に。
途端三人が目を丸くする。
｢Aはてっきり俺の船に乗るもんだと…｣
｢守る…海兵か？敵になっちまうのか！？｣
｢あれ？ちょっと待て、三人とも船長になりてェってまずくねェか？｣
｢じゃあAは誰の船に乗るんだよ｣
｢だから私は海兵に…｣
それぞれの道を誓い合ったあの海には、まだ想像でしかない輝かしい未来が広がっていた。
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Keiko03090407(プロフ) - 続き気になる(っ ॑꒳ ॑c)ﾜｸﾜｸ (2022年11月3日 1時) (
レス) @page42 id: 0dc3919b36 (このIDを非表示/違反報告)
ベーコン?(プロフ) - この作品めちゃくちゃ好きです…！！続きめっちゃ気になります！！ (2022年8月18日 13時) (レス) id: 45dc28a220 (このIDを非表示/違反報告)
お猫 - 好きすぎるぅ！ (2022年8月18日 12時) (レス) @page42 id: 34150a8be7 (このIDを非表示/違反報告)
air(プロフ) - あくもんさん» とても嬉しいコメントありがとうございます…！あくもん様の応援に応えられるように頑張りますね…！ψ(。。) (2022年8月13日 18時) (レス) id: 3c653399f3 (このIDを非表示/違反報告)
あくもん(プロフ) - この作品めっちゃ好きです！続きが気になる………！！無理しないでこれからも更新頑張ってください！楽しみに待ってます！！ (2022年8月12日 23時) (レス) @page41 id: cfb31e7c1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：air | 作成日時：2022年7月14日 20時
