生きててほしい ページ24
「すまない、A。すまない」
何度も何度も父上に謝られた。
知らない大人たちに囲まれて船に乗せられて、残ったのは少しの金と食糧。
子供ながらに
あ、捨てられたんだな。って思った。
護衛できるのはここまでと、降ろされたのはローグタウンという街だった。
最初こそ捨てられた子供に憐れむ大人は多かった。けど、大きすぎる親の肩書きは、私の存在を認めないかのように押し潰そうとしてくる。
そうだった、殴られるより蹴られるより、
誰も私の味方でいてくれない方が、ずっとずっと怖くて辛かった。
一人ぼっちだった世界を思い出すと、ルフィの言葉は眩しく輝く。
「俺がいれば辛くねェのか」
「うん」
「俺がいねェと困るのか」
「うん」
「お前は俺に、生きててほしいのか」
「当たり前だ！」
エースもきっと、一人ぼっちだった世界を思い出している。理不尽に存在を否定する世界に、生きていてほしいと言ってくれる存在がどれだけ大切か、私はわかる。
ふ、とエースの雰囲気が軽くなるのが見て取れた。
ルフィに対する緊張感やら敵対心が少し和らいだようだ。
...よかった。
ここ数ヶ月を思い出して心の底から安堵したのもつかの間、エースはこちらに近づいてきて私の頬を両手で掴む。
「な、なに...」
「こいつの言い分はわかった。
アホだし痛てェのに耐性があるのも。
ただお前はそれとこれとは別だ」
真っ直ぐ瞳を見つめられる。
包帯まみれの手に固定されていて目を逸らせない。
「は、はい」
「俺も、お前がいなくなったら...悲しいから。
危ないと思ったらすぐ助けを呼べ」
「へ...？」
「ルフィよりもサボよりも誰よりも早く、俺がお前を守る」
一気にそう言われ、顔が熱くなるのがわかる。
素直にエースに言われるのは初めてだったから、お前がいなくなったら悲しいって、言ってくれたから。
何も言えず固まっていると伝染したようにエースも赤くなる。
「あ...」
ありがとう、という前にエースが手を離しルフィが「俺はもっと早く助ける！」と突っ込んでくる。そこにサボも「おい、わざわざ競わなくてもいいだろ？」と訂正を促す。
「う、うるせー！」
エースは真っ赤っかのままルフィに反応すると、また口喧嘩が始まった。
それにやれやれ顔のサボ。
「...ふふ、」
そんな光景を前に、自然と笑みが漏れた。
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Keiko03090407(プロフ) - 続き気になる(っ ॑꒳ ॑c)ﾜｸﾜｸ (2022年11月3日 1時) (
レス) @page42 id: 0dc3919b36 (このIDを非表示/違反報告)
ベーコン?(プロフ) - この作品めちゃくちゃ好きです…！！続きめっちゃ気になります！！ (2022年8月18日 13時) (レス) id: 45dc28a220 (このIDを非表示/違反報告)
お猫 - 好きすぎるぅ！ (2022年8月18日 12時) (レス) @page42 id: 34150a8be7 (このIDを非表示/違反報告)
air(プロフ) - あくもんさん» とても嬉しいコメントありがとうございます…！あくもん様の応援に応えられるように頑張りますね…！ψ(。。) (2022年8月13日 18時) (レス) id: 3c653399f3 (このIDを非表示/違反報告)
あくもん(プロフ) - この作品めっちゃ好きです！続きが気になる………！！無理しないでこれからも更新頑張ってください！楽しみに待ってます！！ (2022年8月12日 23時) (レス) @page41 id: cfb31e7c1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：air | 作成日時：2022年7月14日 20時
