【ワンピース】二度恋をする【盃兄弟】

疑念 ページ16

「あの、ルフィが帰ってこなくなってから一週間が経とうとしてるんですけど、」

「ったく…今頃どっかで野垂れ死んでる頃かね」

「えっ…それはさすがにまずいんじゃ…。
や、やっぱり探しに行ってきます！」

この一週間、サボの所へ行くついでに色々探してみたけどなかなか見つからなかった。
肝心のエースはルフィの話をするとすごく機嫌が悪くなる。

「やめときな、もう夜だ。
とりあえず探しに行きたいなら誰かを連れていくんだ。お前一人だと戻ってこれなくなるだろ」

ドアに手をかけるとやはりダダンさんに止められる。
うーん…どうしたら…


*

夜中
外でポチがすごく騒いでいる。
何かあったんだろうか？

｢早く寝ちまいな！｣

怒り気味のダダンさんがルフィを部屋に投げ入れた。

｢ルフィ！？どうしたのそんな傷だらけで…！｣

「谷底でちょっとな…」

と、とりあえず手当てしなきゃ！と救急箱を取りに行くと、戻った頃にはもう寝ていた。
すごい、この子メンタルが強すぎる…！

絆創膏と…包帯と…。本当に谷底なんかでどうしたんだろう。
近くの谷にはちゃんと橋がかかっているし、いくらなんでも不注意で落ちるというのは無理がある。

「よし、これで一通り大丈夫かな」

「おい」

手当を終えると、エースが声をかけてきた。

「なんでこんなやつに構うんだよ」

「え、」

「来たばっかりのやつだし、弱ェし、ウゼェ」

「なんでって…私がここに来た時エースたちが優しくしてくれたからだけど」

あの時エースがお肉を手渡してくれたように、ガープさんが手当してくれたように新しい同居人に接するのは変なのだろうか？

「…こいつは、俺が谷底に落とした」

「な、なんでそんなこと」

「…とりあえず、無闇に他人に関わるな」

そっぽを向いて布団を被るエースに、久しぶりに疑念を抱いた。
谷底に？エースが？なんでそんなことをするのか全く分からない…。

モヤモヤする気持ちを抑えて、毛布をルフィに被せると私は目を瞑った。

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