愛されてみたかった【文スト】

親殺しの異名 ページ24

貴方side


『...ここ、何処？』

何もない闇。

僕はその地を探索している。

『ッ、寒い....』


何度なのだろうか。
かなり低い気がする。

横浜育ちにはキツいものがある。


“お前のせいだ”

『ぁ...とう、さん...？』

“お前が母親を殺した”

『違う、僕はあの日、』

“親殺しだ、罪を償え”

『嫌だ、違う、違う、違う、』

“母親一人護れないなんて”

『それ、は、...』

“その異能に意味はあるのか？”

『お狐様は...僕の...。』

“使えない異能に興味はない”

『嫌だ、お願い、やめて』

“お前なんて、”

『嫌だ、嫌だ、捨てないで、嫌だ、』

“お前なんて、要らない”

『ぁ......お狐様、どうか、どうかご慈悲を』



狐の声も、父の声も、もうしない。

捨て、られた...？


“早く、起きてくださいよ”

『フェー、ジャ？』

”貴女が居ないだけで、日常がかなり変わりました“

『そんな、長い間...？』

”貴女の家に毎日通うことも、
毎日三食しっかり取ることも“

『ぼ、く...は、』

”まだ、生きたいのでしょう？“

『生きたい...また、嗤いたいよ...』

時には泣いて、笑って

『フェージャと、一緒にいたいよ...』

”家族“なんだから。

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