＊ただいま ページ43
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朝の満員電車。
スーツ姿で溢れる大きな交差点。
初めて社会人になった年は、見るものすべてが新鮮で
緊張だらけの毎日だった。
でもそれは、実は今も変わらないのかもしれない。
" 空港で待ってて "
飛行機を降りると翔太くんからメッセージが届いていて。
彼が…と申し訳なさそうに言うと、
『 優しいなー。先輩の彼氏さん。私にもいつか素敵な人、紹介してくださいね！ 』
と笑顔で帰っていった由利ちゃんに、心の底から感謝した。
翔太くん、今日仕事だよね。
待っている間、特に何もすることがなくて
ひたすらに空港の様子を眺めていた。
電話をしながら慌ただしくスーツケースを引く人。
これから旅行なのか、楽しそうに歩いていく家族。
奥でしっかり抱き合っているあのカップルは、遠距離恋愛になってしまうのか
それとも久しぶりの再会を果たしたのか。
世界の流れは早い。
こうやって私がのんびりとしている間にも
どこかで誰かが喜び、泣き、怒り、笑っている。
その速度についていくことができなくて
ただマイペースに生きたいと思った数年前。
目標も夢もなかなか見つからないまま、1人で落ち込んでいた時に
声をかけてくれたのはやっぱり翔太くんだった。
『 いいじゃん、それで。マイペースで行けよ。
Aらしくて俺は好き。 』
思えば、今の私があるのはあの時の翔太くんのおかげかもなぁ。
「 俺？ 」
「 はっ。 」
伸びをしたまま上を向いたその視界で、どーんと映った顔。
「 聞こえてますよ、お姉さん。 」
「 えー、マジですか。 」
どこまで心の声が漏れてたんだろ。
というかこんな姿勢で固まってるの恥ずかしい。
でも翔太くんが目逸らさないし。こっちから逸らすタイミング失ったし。
頭の中で一気に考えていたら
見つめていたマスクの上、目尻にしわが寄った。
「 おかえり。 」
そうだね。
まずはただいまって言わなくちゃ。
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愛莉(プロフ) - 蓮翔さん» 蓮翔さん、いつも読んでくださりありがとうございます！そして…お恥ずかしい(笑)しっかり直しておきました、ありがとうございます:-)＊。 (2021年2月10日 6時) (
レス) id: ada343b87b (このIDを非表示/違反報告)
蓮翔(プロフ) - 更新される度に読んでます。素敵なお話で続きがめちゃくちゃ気になってます！なり染めではなく馴れ初めですよ^^ (2021年2月9日 23時) (レス) id: b240f86abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉
| 作成日時：2021年1月29日 22時
