＊バッドタイミング ページ16
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意地悪をするつもりなんてこれっぽっちもなかった。
「 あ、もしもし。 」
繰り返す会議。
追いかけてくる英語の壁。
奪われていく時間。
でもこれは、自分で決めたことだから。
そう言い聞かせながら、眠い体に鞭を打つようにして
お昼休憩の時間に掛けた電話。
『 もしもし？どうかした？ 』
電話の向こうで聞こえる声。
少しだけ、みんなの声も聞こえる気がする。
…今日は何かの撮影なのかな。
明日は雑誌とバラエティーと… って翔太くんが楽しそうに教えてくれる夜の会話も
最近私がずっと籠っているせいでできてないや。
『 Aちゃん？ 』
「 あっ、ごめん。 」
ぽーっとしていた頭が阿部ちゃんの声で引き戻され
そしてそのまま ううん？ という声が聞こえた。
英語を…と口にしようとしたけど、
その前に耳に飛び込んできた声があった。
『 A？ 』
えっ、ちょっ…と少し戸惑った阿部ちゃんの声の後に聞こえたのは。
『 阿部に告白でもするの？ 』
「 翔太くん、 」
あぁ、怒ってるなって
それがすぐわかる声。
「 いや、ちょっと英語でわからないところがあったから… 」
『 あー、そうだよな。おまえ今頑張ってるもんな。阿部のために？ 』
『 俺？！ 』
「 何言ってるの？ 」
たぶんいつもの私なら、違うよってすぐに訂正を入れられたはずなんだけど
今の私にはそれができない。
翔太くんには何も話していないのに。
翔太くんが頑張っているところを見て
私も頑張ろうって思って、ずっとがむしゃらに走り続けてきたのに。
それが阿部ちゃんのためって…？
「 意味…わかんないっ…。 」
プツンと一方的に切った電話。
自分が言ってこなかったことが一番の原因なのに
それさえも今は考えられなくて
ただ、悔しい。
その思いだけで、こぼれそうだった涙を拭った。
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愛莉(プロフ) - 蓮翔さん» 蓮翔さん、いつも読んでくださりありがとうございます！そして…お恥ずかしい(笑)しっかり直しておきました、ありがとうございます:-)＊。 (2021年2月10日 6時) (
レス) id: ada343b87b (このIDを非表示/違反報告)
蓮翔(プロフ) - 更新される度に読んでます。素敵なお話で続きがめちゃくちゃ気になってます！なり染めではなく馴れ初めですよ^^ (2021年2月9日 23時) (レス) id: b240f86abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉
| 作成日時：2021年1月29日 22時
