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10年越しの想い2《夏油傑》 ページ38

『そっか……もう10年も経つんだ……そりゃ歳とるわけだ〜』




と私は席を立ち上がり、窓辺へ移動した。




空は綺麗な茜色に染まり、夕日が教室をオレンジ色に染め上げていた。




10年前、当時ここの生徒だった私は傑が好きだった。




だから告白された時は堪らなく嬉しかった。




でもまさか10年も続くなんて思ってもなくて。




いつこの関係が壊れてしまうのか不安だったけど、そんなことも無く仲良くやっているつもりだ。




でも、もうそろそろアラサーという領域に足を踏み入れかけている私達。






____脳内に「結婚」という言葉がよぎる日々。





傑が良いなら私は彼と一緒になりたい。





本当は想いを伝えたいけど、私にはそんな勇気なんてない。もし伝えてしまって断られたら…?と嫌な考えしか浮かばない。





その時、後ろから傑が優しく抱き締めてきた。





『……傑?』




「……済まない。夕日に照らされてる君があまりに綺麗で。つい抱き締めてしまった」





傑の手が触れて私の手を包み込むように握り締めた。





「ねぇA」



『何?』



「10年前の約束覚えてる?」



『約束…?』




「その様子じゃ覚えてないみたいだね(笑)」



『えぇ……ごめんね?思い浮かばないや』




「いいや大丈夫だよ。









____その方が私にとって都合がいいから」





と首元にキスを落とされた。







その時手に感じる小さな違和感。視線を手に向ければ、









____左薬指に銀色の指輪がはめられていた。







『えっ……これって……』




驚きを隠せず、傑の方を見れば視線で「もう1回下を見て」と誘導される。





それに従えば、左手に重なっている傑の薬指にも指輪がはめられていた。






嬉しさと幸福さで視界いっぱいに涙が溜まっていくのが分かった。






「本当はきちんと向き合って伝えたかったんだけど……




こんな回りくどいやり方で済まない。許して欲しい…









____A、私と一緒になってくれないか?」





こんな顔見られたくなくて両手で顔を覆って、何とか首を縦にコクッ…と振る。




そうすれば傑はより強く抱き締めてきた。





「ありがとうA。絶対幸せにするから」






とくるっと私を振り向かせて今度は涙で濡れた唇にキスを落とした。









____10年前の約束。









10年後、君をお嫁さんにする。もう一度、この場所で。

作者です!!→←10年越しの想い1《夏油傑》



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アメ玉(プロフ) - すーさん» すーさん!初めまして!お返事遅くなってしまって申し訳ないです!!リクエストありがとうございます!!了解致しました!少しお時間いただきますね!! (2020年12月20日 1時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - まかろにぱにーにさん» 初めまして!えぇぇそんな…神だなんて恐れ多いです……!ヾ(・ω・`;))ノ三ヾ((;´・ω・)ノあわあわ でも喜んで頂けたならすごく嬉しいです!暖かいコメントありがとうございます!! (2020年12月20日 0時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
まかろにぱにーに - え?待って?ナナミンイケメンすぎひん?神作品だ……。アメ玉さん(様)100年生まれてこなかった逸材では!? 神です。マジで。アメ玉様神アメ玉様神アメ玉様神アメ玉様神 (2020年12月19日 23時) (レス) id: b2ccf5b6d7 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - ちゃんみおさん» わあああちゃんみおさん!!(泣)引き続きリクエストありがとうございます!!了解致しました!少しお時間いただきますね!! (2020年12月13日 21時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - ぬたうなぎさん» やっぱりそうですよねぇ……スイーツは語彙力の宝庫ですね!(。・`ω・´)キラン☆←何言ってるか分からない (2020年12月13日 21時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アメ玉 | 作成日時:2020年11月25日 0時

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