好き以外の優しい言葉を全部Ⅲ【シロクロ】 (ページ37)

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■117.てをつなごうページ37

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Naoki Side

あれから1週間が経ったが、
未だにAは目を覚まさない。

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これも罰なのだろうか。

自分の復讐に彼女を巻き込んで、
利用価値がなくなったらいつでも捨てると嘯きながら、
離れることが出来ずにズルズルと隣に置いた、罰なのか。

.

毎日毎日、彼女の病室に来て、

無機質な心電図の音を聞いて、
落ちる点滴の様子を見て、
握った手の体温を感じて、

彼女が生きていることを確かめなければ、
俺は今、生きている意味を見出せない。

.

彼女に依存しすぎていた自分があまりに滑稽で、

彼女を救ったのは自分だ、と思っていたのに、
本当は救われていたのは自分の方だったのだと気づく。

.

そんなことを考えていると、
やはり涙が重力に負けてぽたぽたと落ちていく。

こんな俺を、彼女が見たらどう思うのだろうか。

…馬鹿だなぁって笑われるだろうか。
…呆れられるだろうか。

今度こそ本気で嫌われるかもしれないな…。

.

.

｢………泣いてる…の……？｣

直輝｢…！！｣

.

涙を手で拭っていると、不意に頬にするりと感触が。

びっくりして彼女に視線を向けると、
そこには心配そうにこちらを見つめながら
俺の頬を優しく撫でるAが。

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