■98.最後のリクエスト ページ18
***
Naoki Side
次の日、俺はミスパンダの力を借りるために、
川田レンに最後のお願いをしにいった。
.
今まで彼女を使って自分の復讐を果たそうとしていたこと、
自分一人の力では無力だったこと、
そして、これが終われば二度と君の前に現れない
ということを説明したうえで、
最後に1度だけ力を貸してほしいと頼んだ。
.
レン｢………分かりました。｣
直輝｢…ありがとう。｣
レン｢…本当は、Aちゃんのためにも、
直輝さんに危ない目にはあって欲しくないです。｣
“A”
彼女の口から出たその名前に自分の動きが少し止まった。
レン｢Aちゃん…、直輝さんがいなくなったって、
泣きそうになりながら私に電話かけてきて。
本当に、心の底から直輝さんのこと心配してるんです。｣
直輝｢………うん、分かってる。｣
レン｢…私がいうのも変なんですけど…、
Aちゃんのこと、…大切にしてあげてください。｣
直輝｢…Aのこと、大事に思ってくれてありがとう。｣
.
レンの願いに、“約束する”と言ってあげることは
できないまま、俺は彼女に催眠をかけて、
ミスパンダ(リコ)を呼び出した。
.
.
リコ｢…えっ！？レンにミスパンダのこと喋ったの！？｣
直輝｢…ああ。｣
リコ｢…ちょっとまさか飼育員…、｣
直輝｢リコのことは喋ってない。｣
リコ｢…ならいいけど。
…それより、私を呼び出したってことは、
ついに復讐の時が来たってこと？｣
直輝｢……ああ。これから犯人をおびき出す。｣
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年3月16日 7時
