□27.虜 ページ27
***
｢何食べたい？｣
直輝｢Aが食べたいのでいいよ。｣
｢…うーん、じゃあ卵余ってたからオムライス作る。｣
直輝｢俺もなんか手伝う。｣
｢座ってていいよ、直輝はゆっくりしてて！｣
.
最近迷惑をかけてばかりなので、
今日くらいはゆっくりして欲しい。
普段、一人だと面倒なので作らないけど
料理にはそれなりの自信があるので、
美味しいオムライスを作ろう！
そう意気込み、
まずは手を洗おうと水を出す、
.
直輝｢A、｣
｢ん？…わっ、えっ！｣
直輝｢袖、濡れちゃう。｣
急に後ろから抱きしめられるみたいな体勢になって
なにごとかと固まっていたら、
私の服の袖を気にしてくれていたらしい。
.
｢…あ、あっ、あ、ごめん…！｣
ｸﾙｸﾙと器用に袖を捲って、
“よし、これで大丈夫” って笑ってくれる。
.
…何この人、素でこういうことやってんの？
怖い怖い、何このイケメン、
今まで何人の女の人を虜にしてきたの…！？
こっちは耳が真っ赤になるくらい動揺してるのに
向こうは涼しい顔してるし。
.
直輝｢手、洗わないの？｣
｢あ、洗うよ！洗う洗う…！｣
.
大学で精神医学を学び、
他人の些細な言動で
気持ちを読み取ってしまう彼にとっては、
女の子をドキドキさせることくらい
簡単なんだろうけど。
素でやっているのか…、
はたまた計算でやっているのか、
彼はよく分からないからタチが悪い。
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 952人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紙兎
| 作成日時：2020年1月21日 0時
