□24.なにがどうして ページ24
***
｢…ん、｣
.
なにかに抱きしめられている感覚。
強い力なのに全然嫌じゃなくて、
むしろ安心する。
.
このままもう一度眠りにつこうか…、
と、うとうとしていたけど、
…ちょっと待て、と思考を働かせる。
目を開けてみると、
私を抱きしめていたのはやっぱり直輝だった。
え、えっ、なにがどうしてこうなった…？
頭をフル回転させて必死で昨日のことを思い出す。
.
…えっと確か昨日は、直輝はあずささんとデートで、
待ちくたびれて寝ちゃって、
そしたら直輝が帰ってきて、
その後ちょっと喋って、
…えーっと…、
ダメだ、その辺から記憶があやふやだ。
でも、何か彼を困らせるようなことを
言ってしまった気がする。
じゃなきゃこんなことにはならない。
今まで、私が怖い夢を見たりして宥めるために隣で一緒に寝てくれたことは何度かあったが、
朝までこんなふうに抱きしめられていたことはない。
.
直輝、私がいたんじゃベット狭かっただろうな…。
彼にはゆっくり休んで欲しい、
…でも、どうしよう。
ここから離れたくない。
.
普段から鍛えている逞しい身体は、
抱きしめられる度に心臓が壊れそうなほど
ドキドキして、でも、安心する。
いや、でもやっぱりだめだ…！
このままじゃ色々とだめな気がする！
そう思ってゆっくりと
彼の腕の中から抜け出そうとした、
***
□25.可愛いからずるいんだ→←■23.僕の腕の中にいる時くらいは
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年1月21日 0時
