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そう思った瞬間にはもう、私はパクの腕の中にいた。
混乱である。パクに抱きしめられて舞い上がっている私と、天変地異でも起こっているのかと驚愕している私。このまま絞め殺されたりしないよね……？
……でもそれは杞憂に過ぎなかった。
「A……Aっ……」
「え……パク……」
パクは泣きながら私の名前を縋るように呼び続けていた。まさか……今回の人生だけじゃなくて、1回目からの記憶を全部読んだと言うのだろうか。
「驚いたわ、こんなの初めてなんだもの。記憶を見たら全部思い出して……なんて無茶するのよ……私達のために……なんでこんな……」
「え、待って……ねぇ、まってまって………パク私の事……分かるの？」
それはもう、愛おしい物を愛でるかのように顔を綻ばせて私の頬に手を添える。
「ええ、もちろんよ」
奇跡だと思った。神様、神様ありがとうございます。
やっと少しだけ報われた気がした。
その後私達は思い出話に花を咲かせた。
パクにいたってはこの長い記憶をあの一瞬で見たんだから混乱しているだろうに。私の手を絶対に離さないでいてくれる。
「……1年後、ウボォーと私が死ぬ。それをどうにかすれば良いのよね。そうしたら鎖野郎も死なずに、貴方がループをする必要もなくなる」
「パクの念弾で皆に記憶を見せるのが手っ取り早いし信頼も強いと思うんだけど……」
「……上手く行けば確かにそれは良い手ね。
でも正直貴方から読み取った記憶は少し曖昧なの。流石に時空を超えたりしているし情報量も多いからかしら。
私は直接見たからあの時の事を思い出せたんだと思う。私が介入して記憶を受け渡して……果たして私のように皆が思い出してくれるかどうか。
最悪の場合私が貴方に操作されていると考えられるかもしれない」
やはりここまで来て、そう簡単には行かないようだ。
「……A、貴方は全部済むまで身を隠していなさい」
「っでも！」
「ここからは私が何とかしてみる。……もう、可愛い貴方に傷ついて欲しくないのよ……本当によく頑張ったね、もう大丈夫だから」
もう大丈夫だから。その言葉で力が抜けた、そんな気がする。私の頑張りをパクは認めてくれた。
その日はパクに甘え尽くして、数日経った頃彼女はアジトへと戻ってしまった。また一人になってしまったけれど、私をパクが覚えていてくれる。
それだけで光が見える気がするんだ。
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薄桃桜(プロフ) - みぃさん» コメントありがとうございます！！やはり作った当初からどうにか4人と絡ませたいと思っていたのですが、こんなに終盤になってしまいました笑。これからも応援よろしくお願い致します。 (2022年11月23日 8時) (
レス) id: d27f44688d (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - 更新されてる〜！この作品、めっちゃおもしろいです！特に夢主ちゃんと、主要キャラ四人との絡みがおもしろい！これからの展開が楽しみです！ (2022年11月14日 19時) (レス) @page49 id: c18f4cb640 (このIDを非表示/違反報告)
薄桃桜(プロフ) - あるみくさん» 拙い文章ではありますが、少しでも誰かの心に響いたなら本当に嬉しいことです。細かな所まで見て頂いてくださったことも嬉しい半分気恥しさ半分ですね。今少し忙しく下書きが進んでいませんが、必ず完結させたいと思っているので頑張ります！ (2022年8月14日 12時) (レス) id: d27f44688d (このIDを非表示/違反報告)
あるみく(プロフ) - とても感動しました！特に、パクが主人公と再会したところで、私本当に泣いちゃって笑。主人公の人間らしい感情の変化や、1の時の「復讐は連鎖」という言葉にも心を動かされました！更新頑張ってください！ (2022年8月13日 19時) (レス) @page28 id: 1448334fe6 (このIDを非表示/違反報告)
薄桃桜(プロフ) - 真昼さん» 元々漠然とした思い付きから描き始めたので確かに何度か時系列やループで悩んだ事がありました……でも楽しくここまで書けているのでこれからも引き続き更新頑張りますね！ (2022年8月7日 23時) (レス) id: d27f44688d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄桃桜 | 作成日時：2022年7月26日 22時
