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40話。 ページ9

「ん…。」

私は重くのしかかった瞼を少し開けた。
目の前に広がる光景は見たことがなかった。

何故かとても暖かい心地良さだった。
冷たいコンクリートの地面とはわけが違う。


「(安心する…。)」

私、誰かにおんぶされてる?
この感覚は小さい頃、母親にされた時以来だ。

とても懐かしいのは、人の温もりだから?
それともこの人だから?

どっちでもいい。

今はこの温もりに浸っていたい…。


「お母さん…。」

眠気が増し、私は深く考えずに眠りについた。





その言葉に運んでいる彼は身動きをやめた。

その場で唇をひと噛みすると、
重たい足取りでまた歩き始めた。





夢の中で私はずっと笑っていた。


心が躍るような、
身がふわふわとするような感覚に襲われた。

何も感じず、思わずに、何もない真っ白な空間で。


その状況に至っている私だが、
不思議な感じには思わなかった。


あの幸せな感覚が私を包んでいるようなのだもの。







上も真っ白な空間が続くが、
手の届かないところから私を呼ぶ声が聞こえた。

気のせいではない。


「ねえ、貴方は誰?なんで私を呼んでるの…?」

ふと気になった私は、
上空に目掛けて思いっきり両腕を伸ばした。




「目を開けてよ!沙織ちゃ…!?」


むくりと私は身体を起こした。
「むくり」といっても可愛い感じではない。
勢いよくだ。



「ここは…?」

涙目でぽかーんとしたギャグ漫画のような顔付きの
十四松が、目の前にいるということはさて置き、
ここはどこかの民家みたいだ。


「って、十四松!?」
「わあああん!!」


何も言わずに、言葉にならない泣き声をあげ、
十四松が私に抱きついてくる。

まず、この状況から整理したいよ…。
一旦、私は十四松を落ち着かせることにした。




ここはどこなのか。

あの後何があったのかなど、
彼は知っている限りのことを私に教えてくれた。


「十四松達の…家。」

あの頃から気まずい私が
一番歩み入れたくはなかった場所だ。

その瞬間、私の脳内にあることが
フラッシュバックした。


「う、ゔああああ!!」
「沙織ちゃん!?落ち着いて!」


頭に鉛のようなものが重くのしかかる。

二度と会いたくはなかった、
この感覚に久々に会ったのは気のせいではない。












「やっぱり…。」


その光景を目撃していたのが十四松だけでは
なかったことを私が知るはずもなかった。

個人的だけどもよろしくお願いします!→←39話。



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ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - 依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。さん» お「え、俺のこと好きなの///?え、嬉しい///ありがとう///」もも『あれぇ?いつもなら結婚して!とか言うのにどーしたのかなぁ?あらら、耳が赤いけど?』お「うるせー!俺だってさぁ、真面目に考えるし///」 (2019年5月2日 21時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)
依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。(プロフ) - ももまつ(全松girl)@低浮上気味さん» 可哀想だけど、ごめんおそ松!実はそういうところも好きなんだよね笑。とんだ茶番ですね笑笑。 (2019年5月2日 21時) (レス) id: 0d2970c678 (このIDを非表示/違反報告)
ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - 依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。さん» お「え、なんかお兄ちゃんの扱い酷くない!?依愛は優しい?けど…。お兄ちゃん寂しがってるよ?」もも『ごめん!ももまつさんはどーでもいいかなー!アハハハハハハハ』 (2019年5月2日 21時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)
依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。(プロフ) - ももまつ(全松girl)@低浮上気味さん» そうなんですね笑。おそ松推しなんで凄く嬉しいです!頭にたんこぶをつけたおそ松が想像出来ちゃいますね笑。 (2019年5月2日 21時) (レス) id: 0d2970c678 (このIDを非表示/違反報告)
ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - 依愛(いあ)さん» 最初のところは私の小説のおそ松ですw私が殴っときました!(⌒∀⌒ )アハハハハハ (2019年5月2日 21時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。 | 作成日時:2017年1月16日 21時

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