09話 ページ10
「お前は、あの時なんて言ってフラれたんだったか…」
暗い記憶から、明るく騒がしい記憶を辿る。
あれは確か、松田と3人で食堂に居た時だった。
『彼女にフラれた?なんでまた。』
『何でも何も、寮生活してたら中々会えないしね〜…』
『だから言ったじゃねぇかよ。なぁ?降谷』
『え、何か言ったっけ』
『案外薄情だな、お前も。
たまの休日位、むさ苦しい男5人でつるんでねぇでたまにはそっち行かなくていいのか、って。』
『そこは俺にも落ち度があるけどね。
まぁそれは良いじゃん。
卒業したら中々会えなくなるかもしれないんだし?
こんな気の合う奴ら早々出会えないし。』
『……』 『……』
『でもさ、聞かれちゃったんだよね〜…。
『うわぁ…』 『修羅場だな』
「そうだ…それでお前は確か…」
降谷は顎に手を当て考える。
『で、なんて答えたんだ?』
『
『は?』 『は?』
『そしたら”もう良い!別れる!”ってフラれちゃったよ。
困っちゃうよねー…』
「意外だった。
お前の事だからてっきりその場凌ぎでも彼女って言うと思ってたよ。」
記憶の中の萩原は、フラれたというのになぜか笑っていた。
大切なものを大切だと、恥ずかしげもなく言ったあの時の萩原は、男の自分から見てもとてつもなく格好良く見えた。
あの松田でさえ笑わずに、むしろ照れ隠しの様に萩原の背中を一発叩いた程だ。
625人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
虎鉄(DC一時お休み中)(プロフ) - 休校さん» 休校様、返信遅れて申し訳ありません!コメント有り難う御座います(^^)上から目線だなんてとんでもない!感想だけでも嬉しいのに、面白いと言って頂けて本当に感激です。この作品は特に、言葉を大事にしたのでより嬉しいです!また読んで貰えると跳んで喜びます笑。 (2020年6月20日 10時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
休校 - とても素敵でした!今まで降谷さんのお話をはしごしてきたのですが、一番面白かったです。(上から目線不快に思われたら申し訳ない! 本当に、本当に、言葉といい、センスといい、ストーリーといい、弟子にしてください笑また、見にきさせていただきます。お疲れ様です (2020年6月15日 21時) (レス) id: e4ab2b5df5 (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - 藍さん» 夜分遅く&返信遅くなり申し訳ありません。テーマは幸せ、だったのでそう感じて頂けて何よりです!文字数多くて読むの大変だったかと思いますが、それにも関わらず感想を下さり、本当にありがとうございます!これからも頑張れる様に頑張ります!笑。 (2019年5月13日 1時) (レス) id: f628ddcf07 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 読ませて頂きました!とっても綺麗なお話で、最後の幸せすぎる展開にお恥ずかしながら涙しちゃいました…笑これから続編も読ませていただくのですが、どうしても感想を伝えたくて仕方がありませんでした!これからも頑張って下さい!応援してます(*´ω`*) (2019年5月6日 23時) (レス) id: 8bfd8d1747 (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ノンノンさん» 勿論覚えております^_^コメントありがとうございます!桜木美咲…!桜の木が美しく咲く、すごく日本らしくて素敵な名前に、自分でちょっとグッジョブと思ってしまいました笑。ノンノン様のコメントで私は幸せな気持ちです^_^本当に感謝です! (2018年8月2日 2時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年7月6日 0時