【短編二】脱力系彼氏、藤井くん。

…重岡につき ページ20

重「久しぶり！Aちゃーん！」

「え？ゔっ、」






嘘でしょ







「あの、し、重岡先輩っ」

重「なんか最近会わんかったよな？」

「…おもっい」






その前に

ずっしりわたしに後ろから乗っかってるの

どうにかしてください







重「重い？」

「重いですっ！」






すると、ふふっと笑って降りてくれた先輩

相変わらずスキンシップが過ぎるよ…







重「いやぁ〜…妹みたいなもんやん？」

「だからってまた流星に見つかったらど」

重「だーいじょぶやって！」

「え？」

重「絶対あいつ、なんだかんだ言って俺のこと」
















藤「大っ嫌い。」










突然後ろから聞こえた声

と同時に

グイッと腕を引かれて





「わっ」





わたしの頭に顎を乗せる形で

流星にバックハグされて

サイズ的にはすっぽり収まった









「…ほら見ろ。」




小声で悪態をつく

このシチュエーション何回目だよ




重「げ、なんで来んねん！」

藤「お前こそいっつもいっつも。」




俺のAに、と

顎を乗せたまま話すからくすぐったい







「…」






だらーんと目の前には腕

…そんなに怒ってない？

流星は脱力したままわたしに体重をかける








重「お前もっと心広ならんと振られんで〜。」







すると重岡先輩は

流星を煽るようにケラケラ笑って

案外サラッと行ってしまった



















「…流星、重いよー。」




ふたりになって

そんなに怒ってないであろう流星の腕を

ぺちんと叩くと









いきなり

クルッと向き合う形にさせられて





「うわぁ、なに！？」





するとわたしの肩を持って

グイッと顔を近付けてきた






「え、」

藤「どういうつもり？」






ふっと怪しく笑って






「…ど、どうって」

藤「ええ加減にせえよ？」






あ、あれ？

…やっぱり怒ってる？






「で、でもさ！わたしやっぱり悪くなくない！？」




必死の抵抗をするも













藤「…ほな重岡一回につき、ちゅう一回。」

「は…？」

藤「はいどうぞ。」




そう言って

有無を言わさず目を閉じた流星







…え、なにその提案

無理無理！











藤「何してるん。」

「いや、」

藤「チッ」





え、舌打ち！？

そう思った瞬間

ふわっと唇が重なって









「っ！」

藤「…次はないから。」




ふっと鼻で笑った









リクエスト:PIPPI ぽん … さん

ありがとうございます*

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