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41、高校生活ページ41

４月になり私たちはそれぞれの高校に入学した。

新しい制服。
新しい教室。
新しい友達。

不安と期待が交差する中、茜とは懲りずに同じ組になった。

川島は滑り止めに受けていた、運動部が強くて有名な高校に行った。

通学途中、川島と同じ高校の制服を着た女子を見かけた。

風にたなびく綺麗な髪。
くるんとカールした睫毛に、短いスカート。

頭のてっぺんからつま先まで、キラキラしている女の子たちを見て、不安で背中が冷たくなった。

でも、川島とはと言うと……。

川島が。
あの、川島が！！

毎晩電話をかけてくれるようになった。

サッカー部に入り、練習でヘトヘトに疲れていても、毎日電話をかけてくれた。

はじめはぎこちなかった会話も少しずつ普通の…、至って普通の会話ができるようになり。
日によっては、１時間近くも話をする時もあった。

私は毎日夜になるのが楽しみで
夕飯を食べ終わると、いつも電話の子機を持って待機した。

　
『もしもし。あ、俺』

「うん。部活お疲れ様！｣

私たちの会話はいつもこんな感じで始まり

今日はグラウンドを何周走ったとか、社会の先生の髪型が面白いとか

お互いの些細な学校生活を教え合った。

そして今日も

「それでね、隣の席の男の子が寝ぼけて飛び起きてね」

なんて。笑いながら、なんてことない日常の話をしていたら。

ガチャン。

プー、プー、プー。

突然電話が切れた。

「……え？」

あ、あれ!? 切れた!?
…あ！もしかしてクラスの男の子の話をしてたから!?

慌てて電話をかけなおすと、すぐに川島が電話に出た。

「も、もししもし？川島…？」

『…ごめん。眠くて電話落とした……』

あ、そうか！そうだよね！
毎日遅くまでサッカーの練習をしてるんだもん、眠たくて当然だ。

「ううん、こっちこそごめんね!? じゃあ、またね？」

なんだか申し訳なくなって電話を切ろうとしたとき

「あ！」突然川島が大きな声を出した。

『あ、のさ、日曜日…うち、来ない……？』

日曜日!? 川島の家に!?

「行くっ！」

『じゃあ、明日また電話する』

……やった。やったっ!!

受話器を置いた途端、クッションを抱きしめベッドの上で転げ回った。

川島に会えること。
初めてお家に招待してくれたこと。

そのすべてが嬉しくて、それからは日曜日が待ち遠しくて仕方なかった。