*:..。o○☆アイノカタチ4*:..。o○☆○o

192、彼氏の浮気 ページ45

その言葉に、鈍い私でもピンと来た。

きっと彼だ。
前に写真を見せて貰ったあの海の似合いそうな佐藤さんの彼氏さんが、浮気したんだと思った。

黙ったままの私を見て、残り少ないビールを一気に喉の奥に流し込んだ佐藤さんが、空になったジョッキをドン、とテーブルに戻した。


「…アイツ。浮気してた」

や、やっぱり…。


「海で知り合った女と浮気してたの！」

そう言った佐藤さんの目がみるみる赤くなった。


「お酒のせいだって…酔っていたからだって言われたけど、そんな言い訳違うよね！？間違ってるよね…っ！？」


ボロボロと大粒の涙を流しながら携帯を握りしめてる佐藤さんに、鼻の奥がつんと痛くなった。


「許してくれって…、もうしないからって言われたって今更なかったことになんて私には出来ない…っ」

苦しそうに胸を押えて泣く佐藤さんが、小さく見えた。


私に携帯の写メを見せてくれた時の佐藤さんはとても幸せそうだった。
彼のことが大好きなんだって私にだってわかるくらいに。


そんな彼の浮気…。


「でも…っ、彼氏さんも謝ってるんですよね？佐藤さんと別れたくないって、彼氏さんもそう思ってるってことですよね？佐藤さんだって彼のこと、まだ大好きなんですよね…っ？」


私が泣いたって仕方ないのに、涙を拭いながら綴る私の言葉に
彼女がゆっくりと首を振った。



「無理だよ……っ、大好き過ぎて許せない……っ、」


彼女の赤い目が、私を見る。


「…栗原さんは…？もし栗原さんの彼氏が浮気していたら許せる…？」


私……？

私なら……？

川島が浮気したら……？


考えたくないけど

もしそうなったら……。


「私は……許してしまうかもしれません」

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