*:..。o○☆アイノカタチ4*:..。o○☆○o

188、幸せのお裾分け ページ41

拓哉くんの知り合いがやってるというバーで２次会を終え、３次会はカラオケに来た。
拓哉くんのお友達が全力でお嫁サンバを熱唱するのを聞きながら、ちらりと時計を盗み見た。

「…ん？Aどうした？」

今日の主役。茜が私の隣に座る。

「ううんっ、なんでもないよ」

そう言って、カクテルを一気に飲んだ私を「…そ？」茜が訝し気に見た。


────帰るとき連絡して。迎えに行くから。

耳に残る川島の言葉。


拓哉くんに手を引かれた茜が、ステージに上げられマイクを持たされて。
そんな彼女を、幸せそうに笑った拓哉くんが抱きしめていた。


２次会、３次会とラブラブな新郎新婦に思う存分見せつけられていたせいかもしれない。


お開きになり迎えに来てくれた川島に、車に乗った瞬間抱きついた。

アルコールが入っていたせいもあったと思う。


「…栗原？どうしたの？」

「川島…今すぐシたい……」



こんなこと言う女はみっともないのかな。
でも、我慢出来なかった。
今すぐ川島に、抱かれたかった。


驚いたように固まっていた川島が
ゆっくりと私を抱きしめた。


すぐに向かった海辺のホテル。
我慢なんか出来なくて、エレベーターの中でするキスはいつもより深くて
もつれるようにして部屋へとなだれ込んだ。


「んんっ、川島…っ、
もっと…っ、もっとして…っ」


川島の熱い息が身体に広がり
その度に私の口から甘い、甘い、声が漏れた。


幸せで。
隣で寝息を立ててる川島が愛おしくて。

愛するってこういうことだ、って。
これが『愛』なんだ、って。

テーブルの上の小さなブーケを見つめながら、そんな事を思った。

189、初めてのお誘い→←187、逢える夜は

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す