183、誕生日のドタキャン ページ36
ダークスーツに、黒の革靴。
「A。もう来てたんだ」
髪を短く切って爽やかに笑う涼を見て、素直にカッコいいなと思った。
「涼くん、入院してたんだって！？もう良くなったの？」
「うん、もうすっかり」
「そっか、良かったー。あたし、この前Aの誕生日にメールして初めて知ったの」
その美香の言葉に
「誕生日、ねぇ…？」
涼が私を見てニヤリと笑った。
「……あ」
ヤバイ。
「美香ちゃん聞いて。コイツね、誕生日だから飯にでも連れてってやろうという俺の優しさを、ドタキャンで返したんだよ」
涼の言葉に、あぁぁ…、と額から変な汗が出た。
「なに？Aにドタキャンされたの？」
「そう。しかも連絡来たの、約束した時間から1時間以上経ってから」
「それは酷い！」
「でしょ。可愛そうに俺、店員に残念なヤツ…って見られながらひとりで飯食ったからね。そもそもコイツね、俺が札幌に戻る前に飯食いに行こうっていう約束も忙しいとか何とか言って守らなくて」
涼の話に大笑いする美香。
そして。
「ホントにごめんなさいって言ってるじゃん〜〜〜っ」
平謝りするしかない私。
だって…だってね？
いいって言ってるのに涼がわざわざ地元のレストランを予約してくれたりして。
川島は私の誕生日は夜勤だって、確かにそう言っていたから。
予約までしてくれた涼にも申し訳ないし…ってレストランに向かおうとした私の前に「サプライズ。笑」って川島が突然現れて。
「今日は、朝まで一緒にいよう」なんて言われちゃったら、私も嬉しくて涙が止まらなくなっちゃって。
涼のことを思い出したのは、ホテルのラウンジに着いた時だったんだよ…。
「ま、いいけどね。どーせケーキでも食い過ぎて腹でも壊したんだろ？笑」
「え〜と…」
『行けなくなった』って伝えた時も『わかった』って言っただけで理由を聞こうともしなかった涼。
「涼、あのね？実はあの日…」
話し出した私を涼が見た時、ひーひー笑ってた美香が突然「わかった！」と私を指さした。
「涼くんの所に行かなかった理由。
川島でしょう!!｣
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ユチコ(プロフ) - おにぎり侍さん» 最初から読んでくださりありがとうございます！中学生の出会いから始まった二人の関係が今後どのようになっていくのかも楽しんで貰えるように頑張りますね！ (2018年8月19日 17時) (
レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 絵蓮(ｴﾚﾝ)さん» コメントありがとうございます！最初から読んでくださってるなんて嬉しいです〜( ;∀;)もっとキュンキュンをお届けできるように頑張りますね！ (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり侍(プロフ) - 1から読みました！中学から大人になるまで…最高です！ (2018年8月19日 12時) (レス) id: 3b05885be4 (このIDを非表示/違反報告)
絵蓮(ｴﾚﾝ)(プロフ) - 続編おめでとうございます！1の時からずっと見させてもらって、ｷｭﾝｷｭﾝしてます！← 更新頑張って下さい！ (2018年8月18日 22時) (レス) id: 75d02ce64f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユチコ | 作成日時：2018年8月18日 18時
