172、思い出し笑いとは？ ページ25
車を降りるとぶわっと生暖かい風が身体を包んだ。
「同じ北海道でも、やっぱこっちの方が暑いのな〜」
川島のひと言で、今度はしっかりと目が覚めた。
夢じゃない。
ホントに来たんだ、函館に！
しかも、川島とふたりで…。
7月の太陽が私たちをジリジリと照り付けた。
私、いつから寝ていたんだろう。
寝てもいいって言われたからって本当に寝るなんて信じられない…っ！
昨日、張り切り過ぎて遅くまで眠れなかったことを死ぬほど悔やむわ！
「ごめん。私、爆睡しちゃった」
元気なく俯いた私を軽く笑った川島が
「全然いいよ」私の手をそっと握った。
北海道の有名な観光地でもある函館。
夏休みということもあるのか、どこもかしこも観光客で溢れていた。
「すごい人だね」
その人混みの中を、人とぶつからないようにしながら川島の手をしっかり握って歩いていると、突然川島がクククッと笑い出した。
「なに？どうしたの？」
何が面白かったのか、辺りを見渡す私に「違う違う」と手を振る。
「ごめん、思い出し笑い。笑」
「何を思い出したの？」
聞いた途端、肩を震わせ始めた川島。
「え〜、なに〜？気になるよ〜」って。珍しく大笑いする川島に私も釣られて笑っちゃたら。
ぶはって吹き出した川島が、私を見下ろした。
「さっき、なんの夢見てたの？笑」
「え？」
さっき？
キョトンと川島を見上げたら、更に川島の笑い声が大きくなった。
「や、さっきね？栗原、寝ながらタコみたいに唇を尖らせてさ。ぐふふ〜とかって変な声出して笑ってたから。笑」
……う、ウソだ。
そんなの絶対ウソだーーーーー！！
目の前で川島が、お腹を抱えて笑ってる。
さ、最悪だ…。
恥かしすぎる…有り得ない…!!
穴があったらなんて余裕のあること言ってられない。
穴を掘って自ら入りたい!!
「…え、栗原？」
川島の声を無視してひとりでスタスタ歩き出した私。
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ユチコ(プロフ) - おにぎり侍さん» 最初から読んでくださりありがとうございます！中学生の出会いから始まった二人の関係が今後どのようになっていくのかも楽しんで貰えるように頑張りますね！ (2018年8月19日 17時) (
レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 絵蓮(ｴﾚﾝ)さん» コメントありがとうございます！最初から読んでくださってるなんて嬉しいです〜( ;∀;)もっとキュンキュンをお届けできるように頑張りますね！ (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり侍(プロフ) - 1から読みました！中学から大人になるまで…最高です！ (2018年8月19日 12時) (レス) id: 3b05885be4 (このIDを非表示/違反報告)
絵蓮(ｴﾚﾝ)(プロフ) - 続編おめでとうございます！1の時からずっと見させてもらって、ｷｭﾝｷｭﾝしてます！← 更新頑張って下さい！ (2018年8月18日 22時) (レス) id: 75d02ce64f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユチコ | 作成日時：2018年8月18日 18時
