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94、もう嘘は付けない ページ44

川島と会ったあの夜から、1週間が過ぎた。


その間、川島から連絡は一度もなく、代わりに涼は毎日電話をくれた。


涼は何一つ悪くない。
悪いのは、私だってことは十分自覚してる。


だけど、私は涼を避けていた。


正直なところ、涼を気遣ってあげられるだけの余裕がなかった。

あの日。

川島と会った夜気付いてしまった自分の気持ちが、涼を拒絶してしまっていた。


もう、涼とは付き合えない。
付き合っちゃいけない。

そんな思いが、涼に対する私の態度を変えていった。





「どうするつもりなの?」

帰りのバスを待ちながらふいに切り出した茜は、間違いなく涼のことを言ってるのだと思った。


「……今日、ちゃんと話そうと思ってる」


茜は怒っているわけじゃない。
ただ、心配してくれているんだってことはよくわかっている。

私のために…私の幸せのために
拓哉くんの友達である涼を紹介してくれたのは、茜だ。


優しくてカッコよくて誠実な涼。


そんな人を傷付けて
私はまた、超えたはずの壁の中に戻ろうとしているのだ。


「そっか」

茜は小さく頷いて
それ以上何も言わなかった。



傷付けた。
涼も茜も。

全部私の軽率な行動が招いた結果だ。


だけど。

それでも。


もう自分の気持ちに

ウソはつきたくなかった。







部屋のテーブルの前に正座をして、数回の深呼吸を繰り返す。

勇気を…出さなきゃ。

勢いを付けてかけた電話。


『A?』


数回のコールの後、少し嬉しそうな涼の声を聞きながら
膝の上の手に力を込めた。


「……涼?話があるの。
今から行ってもいいかな」

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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時

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