91、質問の意味は ページ41
「なに〜？いきなり〜｣
おかしくなんかなかったけど
緊張とためらいで笑いが洩れた。
「…同じ学校？」
「ううん、工業の3年生だよ」
「3年…。年上か…。
しかも俺が入試で失敗した学校…」
あ…言われてみればそうだった。
「いや、だってほら！うちらの時は倍率がすごく高かったから！」
焦ってフォローする私を見て少し笑ったように見えた川島が、また足元の砂を集め出した。
川島…どうしたんだろう。
この前の電話といい今日といい、川島が何を言いたいのかが、わからない。
しばらく黙って砂をかき集めていた川島が突然足の動きをピタリと止め、ゆっくりと顔を上げた。
「…栗原は……その人のこと好きなの？」
「えっ？は…っ？｣
急に突き付けられた言葉に、カーッと顔が熱くなった。
「ちょっと〜、ビックリするから！
なに言い出すの〜｣
ダメだ。
笑ってないと、心臓が口から飛び出しそう。
ヘラヘラ笑って誤魔化そうとする私を、笑ってない川島が見ていた。
「…いいから答えて。好きなの？」
その顔は、ふざけているわけでも、冷やかすでもなく
ただ真っ直ぐに、私の答えを待っていた。
その、川島の真剣な目に、私の視線は宙をさまよった。
「そ、そんなのわかんない！」
そして焦ってそう答えた私を見て、川島があからさまに眉を寄せた。
「……わかんないの？
わかんないのに付き合ってんの…？」
「ちが…っ、そう言う意味じゃなくて」
「じゃあどういう意味…？」
頭が真っ白っだった。
自分が何を言っているのか、川島がどうしてそんなことを聞いてくるのか、それさえも全然わからなくて…。
急に黙り込んだ私を見て、川島がまたその視線を地面に戻した。
「……栗原は俺が他の子を好きになったり…付き合ったりしても平気なのかな…」
その声は小さかった。
ざわっと風で揺れた木の葉の音にかき消されてしまいそうなほど。
だけど、聞こえてしまった。
私には聞こえてしまった。
「……それ、どういう意味？」
今度は私がしっかりと川島を見た。
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます！嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (
レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください！ (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユチコ | 作成日時：2018年7月16日 12時
